2024/09/29

Taiwan Today

文化・社会

国立台湾歴史博物館の特別展「跨ぐ・1624:世界の島台湾」がスタート、台湾と世界のつながりに重点

2024/02/05
台湾の国立台湾歴史博物館(台南市)と日本の国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が合同で開催する特別展「跨‧1624:世界島台湾(=跨ぐ・1624:世界の島台湾)」が今月1日にスタートした。オランダや日本を含む国内外20か所近くから借り受けた100点余りの史料が展示されている。(文化部)
台湾の国立台湾歴史博物館(台南市)と日本の国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)が合同で開催する特別展「跨‧1624:世界島台湾(=跨ぐ・1624:世界の島台湾)」が今月1日にスタートした。オランダや日本を含む国内外20か所近くから借り受けた100点余りの史料が展示されている。2日に行われたオープニングセレモニーには行政院の陳建仁院長(=首相)、文化部の史哲部長(=文化相)、国立故宮博物院の蕭宗煌院長、日本の国立歴史民俗博物館の西谷大館長、神戸市立博物館の油井洋明館長、オランダ在台弁事処(台湾におけるオランダ大使館に相当)の職員Jikkie Verlare氏、アムステルダム国立美術館の研究者Eveline Sint Nicolaas氏などが出席した。
 
1624年は台湾と世界がつながった年であり、台湾の歴史にとって重要なターニング・ポイントでもある。特別展「跨ぐ・1624:世界の島台湾」は世界の舞台とつながり、世界の交易ネットワークに加わり、洋の東西をまたぐ二大航路の交差点となった17世紀の台湾の歴史を振り返るもの。従来の中原史観(=中華を中心とした歴史観)や植民論述といったステレオタイプなアプローチを覆(くつがえ)した、台湾を中心にすえた展示となっている。
 
行政院の陳建仁院長は、「1624年から現在までの歴史を振り返ると、先人たちがこの島を開拓し、現在のように包容力があり、互いを受け入れ、尊重し合い、あらゆるエスニシティがここで発展できるよう懸命に努力してきたことが分かる」と述べた。陳院長はまた、台湾と世界のつながりは1624 年から2024年までで終わることはなく、新型コロナウイルス対策の成功や、2016年から2022年までの毎年の経済成長率が平均3.4%に達して「アジアの四小龍(台湾、韓国、香港、シンガポールを指す)」のトップを維持してきたことに言及した上で、「台湾は多様性と開放という道において、これからの400年も世界に向かって両腕を広げ、世界を受け入れ、そして世界に台湾を受け入れてもらえるようにしていくことだろう」と述べた。
 
文化部の史哲部長は、この特別展「跨ぐ・1624:世界の島台湾」が示すものは、「台南400(オランダ東インド会社の台南・安平上陸から400年を迎えることを指す)」であるのみならず、「台湾400」でもあるとし、より重要なことは多くの人々に台湾と世界のつながりを知ってもらうことだと語った。史哲部長は「台湾は世界でも最も自由で成熟した環境を持つ。反省を繰り返すことで、我々はさらに成熟し、理性的に台湾と世界のつながりを見てきた。今回の特別展は年代を跨ぎ、歴史観を跨ぐものだ。世界とつながるこの企画を通して、単一の観点から台湾を見るというこれまでのアプローチを捨て、『世界の中の台湾』という新たなアプローチで台湾の発展を見て欲しい。それによってきっと、いま世界の一員であることを誇りに思うのみならず、実は400年前から台湾は世界の一員であり、台湾こそがつまり世界の島であったことを知るに違いない」と力説した。
 
日本の国立歴史民俗博物館の西谷大館長は、「今回の展示は東アジアの歴史において台湾が果たした重要な役割を再現するものだ。台湾では16世紀半ば以降、対外交流によって多様な文化の融合が生じていた。この特別展の一部の内容については、将来日本でも展示したい」と語った。
 
台南市の黄偉哲市長は、台南にあるあらゆる博物館が、この時代の歴史を記録することで、過去を振り返り、未来を展望して欲しいと期待を寄せた。
 
特別展「跨ぐ・1624:世界の島台湾」は2月1日から6月30日まで、国立台湾歴史博物館の展示教育ビル4階第1、2特別展示室で行われている。詳細は以下のとおり。
 
「跨ぐ・1624:世界の島台湾」
展示期間:2024年2月1日から6月30日まで
開館日時:火曜~日曜、午前9時~午後5時
休館:毎週月曜、除夕(今年は2月9日)、初一(今年は2月10日)、初六(今年は2月15日)
場所:国立台湾歴史博物館展示教育ビル4階第1、2特別展示室及び廊下(台南市安南区長和路一段250号)
 

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