2024/07/02

Taiwan Today

文化・社会

国立歴史博物館、約5年半の改修工事経て2月21日より一般開放へ

2024/02/15
国立歴史博物館(台北市中正区南海路)が今月21日より一般開放される。同館は2018年7月からリフォームのため工事を行っており、約5年半ぶりの一般開放となる。写真は今月7日に行われた銘板除幕式の様子。写真右から3人目は文化部の史哲部長。(文化部)
国立歴史博物館(台北市中正区南海路)が今月21日より一般開放される。同館は2018年7月から改修工事を行っており、約5年半ぶりの一般開放となる。一般開放を前に今月7日、文化部の史哲部長(=文化相)らが出席して銘板の除幕式が行われた。
 
国立歴史博物館はリニューアルオープン後の特別展として、同館が収蔵する書画を展示する「筆墨豊碑」、同館の建築に関する特別展「雕築史跡—国立歴史博物館の建築美を探る」、台湾を代表する2つの美術展覧会の作品を展示する「五月と東方-台湾現代芸術運動の萌芽」を用意している。
 
また、常設展「在這裡、與大家相遇」では、同館が収蔵する文物110点を展示する。その中には、戦後日本から返還された「蟠龍方壺」、「獣型器座」、「金柄銅短剣」、それに画家・馬白水(1909~2003)の大型作品『太魯閣之美』、1969年から1986年まで台湾の文化外交を担った「中華文物箱」3つなどが含まれる。
 
中華民国(台湾)は1970年代に国連を脱退した。その後、さまざまな政治的な圧力を受ける中、中国では文化大革命が発生。国民政府はこれに対抗し、中華文化の保存に取り組む姿勢を示すべく、国立歴史博物館に「中華文化箱」の用意を命じた。さまざまな文物を詰め込んだ「中華文化箱」は世界五大陸を巡り、ときには芸術家を伴って各国を訪問するなど、台湾の文化外交の重要な一翼を担った。
 
「中華文化箱」に詰め込まれたのは、張大千(1899~1983)、溥心畬(1896~1963)、黄君璧(1898~1991)、楊英風(1926~1997)などの画家、彫刻家、工芸家の作品のレプリカが中心だった。「中華文化箱」は1969年から1986年までの期間、5回にわたって用意され、延べ750箱が世界5大陸にある30か国以上、40か所以上を巡った。「中華文化は台湾にあり」という国家イメージを強化するのが目的で、国立歴史博物館が1970~1980年代、積極的に「文化ガバナンス」の役割を担っていたことが伺える。
 
リニューアルオープンの目玉として、国立歴史博物館は林玉山(1907~2004)が日本統治時代に完成させた代表作『黄牛』を、修復後初めて公開する。また、書道家の于右任(1879~1964)の晩年の作品『建館記』、書画の巨匠である張大千の大作『夏山雲瀑』と『深山古柏』などにも関心が寄せられている。
 

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