蔡英文総統は8日、オーストラリアの超党派議員団による表敬訪問を受けた。議員団は、オーストラリア連邦議会の「外交・防衛・貿易委員会」の委員長、Shayne Neumann下院議員と「情報・安全保障委員会」の副委員長、Andrew Wallace下院議員を始め超党派議員5名で、8日から12日の日程で台湾を訪問している。
蔡総統は、「台湾とオーストラリアは、民主主義と自由の価値観を堅持し、オーストラリア連邦議会の超党派議員の努力のおかげで、双方の協力と交流はますます緊密になっている。過去数年間、国際社会において、台湾海峡の平和と安定の重要性を繰り返し表明しているオーストラリアに謝意を表する。両国の経済貿易関係を深めるための経済協力協定（ECA）交渉の推進、台湾の環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進協定（CPTPP）への参加をオーストラリアが支持し、共に地域の繁栄と発展を促進できるよう期待している」と述べた。
Neumann下院議員によると、今回の訪問団は労働党主導の連立与党から成り、同氏とWallace下院議員が共同で代表を務める。全員が豊富な経験を持ち、台湾に高い関心を持っている。Neumann下院議員はまず、オーストラリア国民と議会に代わって、3日に台湾東部沖で発生した地震の死傷者、被災者に対して、哀悼の意を表した。
Neumann下院議員はまた、「蔡総統は8年間にわたって卓越したリーダーシップ、共感、献身的な精神をもって台湾の人々のために奉仕し、常にオーストラリアの友人だった。オーストラリア連邦議会の議員の立場から、今回の訪問を通じてこの地域を理解し、オーストラリア国民のニーズを反映させたいと考えている。次回の会議は、関連する状況と課題への対応方法を理解するのに役立つと信じている」と述べた。
台湾の友人として現状維持には多くの課題があることを理解している中、オーストラリアは、台湾と共に決意があることを改めて表明した。Neumann下院議員はまた、平和と繁栄がこの地域に対するオーストラリアの願いだと強調した。台湾とオーストラリアは、インド太平洋地域における民主主義国家で、開放的で安定を維持することが共通の目標。オーストラリアは様々な国際フォーラムを通じて、この目標を実現していくとしている。
一方Wallace下院議員はあいさつで、「オーストラリアが代表団を組んで他国を訪問する場合、有権者の反発に直面することが多く、台湾でも同様のことが起きるだろうと思われる。しかし、今回の台湾訪問について、反対を表明した者は一人もいなかった。これは、台湾とオーストラリアの緊密な関係が、オーストラリア国民にとっても大切にされていることを示しているのだろう」と説明した。
絶えず変化する地政学的環境を背景に、安全保障協力が極めて重要だと語ったWallace下院議員は、台湾とオーストラリアはインド太平洋地域の平和と安定を維持することの重要性を理解し、両国の戦略的パートナーシップは地域の安全保障に大きく貢献しているとの見方を示した。その上で、双方は、ルールに基づいたオープンで包括的なインド太平洋地域を構築するという共通の利益を持ち、地域の安定を脅かすあらゆる勢力に反対するために団結するという意気込みを語った。