2024/11/25

Taiwan Today

文化・社会

蔡英文総統、米リアリティ番組でドラァグ・クィーンの頂点に輝いたニンフィア・ウインドさんを総統府に招く

2024/05/16
蔡英文総統は15日、ドラァグ・クイーンの頂点を競うアメリカの人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』で台湾人として初めて優勝したニンフィア・ウインドさん(中央の黄色い衣装)と、ニンフィアさんが立ち上げたドラァグ・クイーンのグループ「瘋家」(Haus of WIND)のメンバーを総統府に招いた。(総統府)
蔡英文総統は15日、ドラァグ・クイーン(女装で行うパフォーマンスの一種)の頂点を競うアメリカの人気リアリティ番組『ル・ポールのドラァグ・レース』で台湾人として初めて優勝したニンフィア・ウインド(Nymphia Wind)さんと、ニンフィアさんが立ち上げたドラァグ・クイーンのグループ「瘋家」(Haus of WIND)のメンバーを総統府に招いた。蔡総統は、ニンフィアさんと、ほかのドラァグ・クイーン5人のパフォーマンスを観賞した後、「総統になって8年経つが、総統府がこれほど賑やかになったのは初めて」と喜び、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたことに感謝した。
 
蔡総統は挨拶の冒頭で、ニンフィアさんが番組で優勝したことを称えると同時に、ニンフィアさんが自分でデザインしたという服装にはタピオカなど台湾の要素がふんだんに取り入れられ、審査委員や世界中の視聴者を魅了したと述べた。その上で、パフォーマンスの背後には、きっと社会の差別や偏見への反抗があったはずで、ドラァグ・クイーンたちが堂々とその美しさを表現し、身を挺して社会の枠を破ってきたことに感謝した。
 
蔡総統はまた、ニンフィアさんが番組で優勝した日(台湾時間4月20日)は台湾の「ジェンダー平等教育の日(※)」であり、きょうから2日後の5月17日は「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日」でもあると指摘。政府は過去数年間にわたり、ジェンダー平等の推進に取り組み、同性婚の合法化を実現してきたが、これは民主的で自由な台湾で、誰もが自分の性別、気質、性的指向に関わりなく、自分らしく生き、愛する人と家庭を作れるようにするためだったと説明した。
 
蔡総統はさらに、「現在の台湾はすでに、世界の台湾だ。台湾のニンフィアさんもまた、世界のドラァグ・クイーンだ」と述べ、今年夏のパリ五輪の「文化オリンピアード」でパフォーマンスを行うことになっているニンフィアさんが、より多くの人に台湾の文化をアピールできるよう期待を寄せた。
 
これに対してニンフィアさんは、蔡総統の招待を受けて自分と「瘋家」の仲間が総統府でパフォーマンスを行うことができたことに感謝し、「ここはおそらく世界で初めてドラァグ・クイーンがパフォーマンスを行った総統府(大統領府)となっただろう」と笑った。ニンフィアさんはまた、蔡総統の長年の努力により、同性婚の実現や台湾初の女性総統の誕生を含め、台湾が多くの「初めて」を実現できたことに感謝。蔡総統の国家への貢献と、その取り組みによって、自分がいまこのように成長できたことにも感謝した。
 
ニンフィアさんはまた、この日の黄色い衣装は、台湾固有種の植物タイワンコウホネからインスピレーションを得て作ったものだと明かし、この花は多くの泥がなければ美しく咲くことができないとして、台湾も同じようにさまざまな困難に直面しているが、まさに「出淤泥而不染」(泥より出づるも染まらず。周囲の悪い環境に染まらず、正しく生きることのたとえ)という言葉のとおりだと述べた。ニンフィアさんはさらに「総統という手本があるから、自分たちも美しさをアピールし、美しい女性に扮することができる」として、8年間にわたって「台湾の母親」として台湾のために尽くしてくれた蔡総統に感謝した。
 
※説明
「ジェンダー平等教育の日」(420日)
「玫瑰少年」と語り継がれる葉永鋕さんに由来する。当時中学生(15歳)だった葉永鋕さんは「女々しい」という理由でいじめを受けていた。葉永鋕さんは2000年4月20日、トイレで倒れているのを発見され、病院へ運ばれたが亡くなった。この事件は台湾社会にジェンダー教育に関する議論を巻き起こし、それがきっかけとなって「性別平等教育法」(当初は「両性平等教育法」)が生まれた。政府はその後、4月20日を「ジェンダー平等教育の日」と定めた。
 
 

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