2024/06/30

Taiwan Today

文化・社会

東洋のノーベル賞「唐奨」、持続可能な発展賞は米化学者に

2024/06/19
Omar M. Yaghi氏の研究は、化学的な貢献を果たしているだけでなく、社会福祉にも役立つことが高く評価された。(中央社)

「東洋のノーベル賞」を目指す「唐奨(タン・プライズ、Tang Prize)」を運営する唐奨教育基金会は18日、米国の化学者、Omar M. Yaghi氏に第6回(2024年)「持続可能な発展賞」を授与することを発表した。Yaghi氏は、二酸化炭素回収、水素とメタンガスの貯蔵および砂漠における水の採取を可能とする材料を生成する画期的な合成方法を開発し、持続可能な開発に多大な貢献を果たしたことが評価された。

唐奨のデータによると、Yaghi氏はカリフォルニア大学バークレー校にグローバル・サイエンス研究所を設立した。独自の「プロジェクトリーダー計画」を推進し、ベトナム、マレーシア、ヨルダン、サウジアラビア、アルゼンチン、メキシコなどの研究センターにおいて、現地の若手研究者を研究に参加させた。プロジェクトリーダー計画を通して、自分自身を変え、より広範な社会問題の解決に貢献できるようにする狙いだ。

「持続可能な発展賞」の招集人、劉兆漢氏は記者会見において、「Yaghi氏に同賞を授与するのは、化学の功績に加えて、社会的に恵まれないグループや民族を支援する社会福祉に貢献していることが重要な決定打となった。Yaghi氏のプロジェクトリーダー計画は、この分野で実際に役立っている」と説明した。

第6回唐奨は今後、持続可能な発展に続き、バイオ医薬、漢学、法治の部門でも受賞者を発表する。各賞の賞金は5,000万台湾元(約2億4,400万日本円)で、世界への貢献、実質的な貢献度や影響力を考慮して受賞者を決定する。

「唐奨」は、台湾の実業家、潤泰グループ(Ruentex Financial Group)の尹衍樑総裁がノーベル賞を参考に創設し、2年に1度、専門の選考委員会によって受賞者を選出している。

唐奨は2014年の開始以来、33人の受賞者(NGOの3団体を含む)が誕生した。過去5回のバイオ医薬部門の受賞者のうち、3人は後にノーベル賞受賞という快挙も達成した。

ランキング

新着