「唐奨(タン・プライズ、Tang Prize)」を運営する唐奨教育基金会は19日、米国人研究者でハーバード大学元教授のジョエル・F・ハベナー(Joel F. Habener)氏、マケドニア出身、米国籍のスヴェトラーナ・モジョフ(Svetlana Mojsov)氏、デンマーク人研究者のイェンス・ジュール・ホルスト(Jens Juul Holst)氏の3人に第6回(2024年)「バイオ医薬賞」を授与すると発表した。3人はインスリンの分泌を促進するグルカゴン様ペプチド1(7-37)、つまり「GLP-1(7-37)」を発見し、これをもとにした糖尿病治療薬や肥満症治療薬などの開発に貢献した。その取り組みは基礎研究を新薬の開発につなげた成功事例を示すものであり、人類の健康に大きく貢献した。
「唐奨」バイオ医薬賞の選考委員の召集人(代表)を務めた中央研究院の張文昌院士(フェロー)によると、この3人の受賞者には合わせて1,000万台湾元(約4,882万日本円)の研究経費と5,000万台湾元(約2.4億日本円)の賞金が授与される。
「唐奨」は台湾の実業家、潤泰グループ(Ruentex Financial Group)の尹衍樑総裁がノーベル賞を参考に、「東洋のノーベル賞」を目指して創設したもの。2年に1度、専門の選考委員会が「持続可能な開発」「バイオ医薬」「漢学」「法の支配」の4分野で受賞者を選出している。今年は18日に「持続可能な開発賞」、19日に「バイオ医薬賞」の受賞者が発表されており、20日に「漢学賞」、21日に「法の支配賞」の受賞者が発表されることになっている。