2024/07/07

Taiwan Today

経済

台湾全域での豚熱ワクチン接種停止から丸一年、アジア唯一の「豚の三大家畜伝染病清浄地域」を目指す

2024/07/02
台湾全域で豚熱(CSF、豚コレラ)のワクチン接種を停止して丸1年を迎えた。これを受けて農業部は世界動物保健機関(WOAH)に対して「豚熱清浄地域」の認定申請を行う。台湾はすでに口蹄疫のワクチン非接種清浄地域に認定されており、アフリカ豚熱(ASF)についても侵入を食い止めている。WOAHの審査に通過すれば、台湾は2025年にもアジアで唯一の、豚の三大家畜伝染病の清浄地域になる可能性がある。(農業部)
農業部は1日、台湾全域で家畜伝染病である豚熱(CSF、豚コレラ)のワクチン接種を停止して丸1年を迎えたと発表した。これを受けて農業部は世界動物保健機関(WOAH)に対して「豚熱清浄地域」の認定申請を行う。これは台湾の養豚産業にとって重大な里程標となる。台湾はすでに口蹄疫のワクチン非接種清浄地域に認定されており、アフリカ豚熱(ASF)についても台湾への侵入を食い止めている。豚熱(CSF)についてもWOAHの審査に通過すれば、台湾は2025年にもアジアで唯一の、豚の三大家畜伝染病の清浄地域になる可能性がある。
 
農業部によると、台湾で豚熱(CSF)は「甲類」の家畜伝染病とされる。WOAHでも通報が必要な疾病と位置付けている。全身の出血性病変を特徴とする致死率の高い伝染病で、妊娠豚に感染すると流死産を引き起こす。その被害はアジア諸国全体で見られるが、台湾では2005年を最後に豚熱の感染例が確認されていない。
 
台湾は、重大な家畜伝染病を排除し、質の良い豚肉で海外市場を開拓するため、すでに豚熱(CSF)のワクチン接種の停止を進め、「清浄地域」のステータスを得るために邁進している。農業部が掲げる豚熱撲滅計画は以下の3段階となっている。
 
【第1段階】2021年から2022年まで。ワクチン接種の全面実施。環境リスクのモニタリング、産業界との意思疎通。
【第2段階】2023年から2024年6月まで。感染リスクに対するモニタリングを続けながら、豚熱ワクチン接種の段階的停止を検討する。
【第3段階】2024年7月以降。世界動物保健機関(WOAH)に対して「清浄地域」の認定申請を行う。
 
すでに台湾全域で豚熱ワクチンの接種を全面停止して丸1年が経過しており、厳密なモニタリングの結果、豚熱ウイルス野外株の活動の形跡も発見されていない。これは、WOAHの陸生動物衛生規約が定める「豚熱清浄地域」の認定申請の要件に合致する。つまり、必要な資料を用意して、WOAHに「豚熱清浄地域」の認定申請を行うことができるということだ。
 
農業部によると、将来的に豚熱清浄地域のステータスを得ることができれば、養豚場の労働力とワクチン購入コストの削減につながるだけでなく、ワクチン接種による緊迫した状況や副作用によって生じる損失を抑えることもできる。養豚コストを効果的に削減すると同時に、台湾の生きた豚や豚肉製品の国際競争力を向上させ、ひいては重大家畜伝染病に関する台湾の防疫成果を実証することが可能になる。
 

ランキング

新着