2024年の双十国慶節(10月10日 建国記念日に相当)を記念するイベント「国慶節の夕べ」が台北大巨蛋(台北ドーム)で5日夜に行われ、頼清徳総統、蒋萬安台北市長、双十国慶節祝賀大会の準備を担当する国慶籌備委員会(=準備委員会)の主任委員を務める韓国瑜立法院長(=国会議長)らが出席し、2万人の観客と共に様々な演目を観賞した。パリ五輪の金メダリストである林郁婷さん(ボクシング女子57キロ級)、李洋さんと王齊麟さん(バドミントン男子複)がステージに上がり、会場での国歌斉唱をリードしたほか、引退して9年となる台湾語の女性シンガー江蕙さんが登場して大ヒット曲の《甲你攬牢牢》と《家後》を披露、さらにテレサ・テンさんの名曲《甜蜜蜜》を観客と一緒に歌い上げてイベントを大いに盛り上げた。
頼総統はあいさつの中でまず、全ての国民を代表して中華民国の113歳の誕生日を祝い、国運昌隆(国運隆昌)、四季平安(四季の平安)、八節有慶(立春・立夏・立秋・立冬・春分・秋分・夏至・冬至がいずれもおめでたいこと)、全国の人々の安康幸福(平安で健康、幸福)を祈った。頼総統は、「国慶節に関する各種イベントの最も重要な意義は、我々が主権の独立した国家であることを忘れてはならないことだ。常に我々の国を愛し、先人たちの精神、犠牲と奉仕の心を学ばなければならない。団結して国家主権を守り、民主的で自由、人権のある生活方式を維持してこそ、長年にわたって自らを犠牲にし、奉仕して来た全ての人々を裏切らないで済む」と述べた。
頼総統は、中華人民共和国にとって75歳の誕生日である10月1日から数日後に中華民国は113歳の誕生日を迎えると指摘、「『年齢』から言って中華人民共和国が中華民国の国民の祖国にはなりえず、逆に中華民国が中華人民共和国の75歳以上の人たちにとっての祖国かもしれない」と説明した。一方で頼総統は、「中華民国が台湾・澎湖・金門・馬祖に根を下ろしてすでに75年が経っており、こうした関係を論じる必要は無い」とした上で、「誰かが中華人民共和国の誕生日を祝うなら祝辞は正確でなければならない。『祖国』の二文字は使うべからず」と強調した。
最後に頼総統は、「全ての国民が様々な業種で、1年を通じて国のため、社会のために努力している」として感謝、特に先週の台風18号(クラトーン)の襲来を挙げ、全国民、中央政府と地方自治体の防災人員がみな全力で対応したと評価した。頼総統は、行政院が来年度の治水予算として今年度を159億台湾元(約721億日本円)上回る551億台湾元(約2,500億日本円)を組み、各県・市が気候変動のもたらす各種災害に対応するための水利建設を進められるよう後押しすることに感謝し、国民が団結して国をより強く育て、より繫栄させ、より進歩させるよう希望した。