台湾とパラオ共和国の観光産業関係者による交易会(2024 Taiwan-Palau Travel Agents Forum)が10月29日、パラオのホテルで開催された。この交易会には交通部観光署(日本の観光庁に相当)が外交部(同外務省に相当)、ならびに台湾の旅行観光業組合の中華民国旅行商業同業公会全国聯合会と組織した代表団が参加。メンバーは台湾の主要旅行業者10社の代表、外交部の駐パラオ大使館、交通部観光署などの関係者で、交易会では両国が推進する持続可能で環境を意識した旅行商品に関する経験を共有するなど、観光交流を強化した。双方の業者の連携を深めることで、両国の外交関係をいっそう強固にし、「観光外交」によるビジネスチャンスの創出を目指す。
代表団一行は黎倩儀駐パラオ大使案内の下、29日午前にはパラオ政府観光局(Palau Visitors Authority,PVA)を表敬訪問し、パラオ人的資源・文化・観光及び開発省観光局(Bureau of Tourism, Ministry of Human Resource, Culture, Tourism & Development)のMelson Miko局長、PVAのJackson Dokok理事長、同理事会の重要メンバー、マルキョク州のHenaro Polloi州知事らと対面した。双方は地球規模の環境変動、ポスト・コロナ時代における消費者の嗜好の変化、島嶼での観光資源に関する計画、持続可能な開発、旅行業者のより緊密な連携により両国の観光産業の共栄を図るビジョンなどを議題に意見を交わした。
交易会は同日午後に行われた。観光署代表団の団長を務めた澎湖国家風景区管理処の洪志光処長をはじめ、参加した業者はみな、パラオと台湾が同じ島嶼国に属し、いずれも海の観光スポットと海のアクティビティの開発に力を入れている一方、気候変動や人為的な環境破壊など重大な問題、ならびに旅行コストの大幅な上昇といった苦境に直面していることを指摘。とりわけアフターコロナの消費者の旅行習慣の変化に向き合い、いかにして消費者に対してより持続可能な旅行商品の選択肢を提供していけるかが課題であり、関係者が協力して次世代の持続可能な旅行商品を開発し、台湾とパラオの観光産業を盛り立てていくべきとの意見が出された。
交易会では台湾とパラオの業者が積極的に話し合い、島嶼における祝賀行事やユニークなスポーツ大会(澎湖での自転車による離島めぐりや海鮮料理をエイドでの食べ物に提供するマラソン大会)など様々な観光資源と特色ある旅行商品を紹介し合った。台湾の旅行業者はパラオの観光資源をよりいっそう知ることが出来たほか、パラオの業者も台湾の多元的な自然や文化、景色など観光資源を理解出来、今後多くのビジネスチャンスにつながることが期待される。また、パラオが「環境にやさしい旅行先」の建設に努めていることは、台湾が持続可能な旅行産業を開発していく上でおおいに参考となる模範。交通部観光署は今後も観光交流を通して台湾とパラオの関係を深め、双方の旅行市場の安定的な発展を促進していくとしている。