国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第29回締約国会議(COP29)が11日からアゼルバイジャンのバクーで始まった。国際社会から台湾の国際参与に対する支持を取り付けるため、中華民国外交部は11日、「淡く青い点の未来」(Our Pale Blue Dot)と題するプロモーション動画を発表した。台湾が自主開発した人工衛星から送られてきた実際の衛生画像と実際のロケ画面を組み合わせた映像を通して、国交樹立国での台湾の気候変動対策への取り組みを描き、パートナーとしての台湾の価値を直視し、台湾がUNFCCCに有意義な参加を果たせるよう国際社会に対して呼びかける内容となっている。
今年の動画は特別に国家太空中心(国家宇宙センター、TASA)でロケを行ったほか、台湾が初めて自主開発した人工衛星「フォルモサット5号」から送られてきた衛星画像を使用した。広い宇宙から徐々に「淡く青い点」の地球へとズームし、国交樹立国(ベリーズ、エスワティニ王国、パラオ共和国)で気候変動対策に取り組む台湾のプロジェクトの実際の映像を組み合わせ、台湾が科学技術と専門知識によって気候変動対策に貢献していることを描き出した。また、「In Solidarity for a Green World」(緑の世界のための連帯)をテーマとする今年のCOP29に呼応し、世界のパートナーたちとともに環境のサステナビリティを追求したいという台湾のメッセージを発信している。
この動画で取り上げられているのは、中華民国台湾と正式な外交関係を結ぶ国々の実例だ。例えば中米ベリーズでは自然災害への早期警戒システムを構築し、都市の防災レジリエンスの向上に努めている。アフリカ南部のエスワティニ王国では、極端な気候に強い作物やスマート農業を導入し、耕地面積当たりの収益を大幅に引き上げた。太平洋の島嶼国、パラオ共和国ではサンゴの保全と水産養殖の多様性を通して、ブルー・エコノミー(海洋経済)への転換を図っている。
動画の最後には、UNFCCC参加を訴える台湾の今年のロゴが登場する。カラフルなIC(集積回路)のデザインで台湾の外観を描いたロゴに、今年のCOP29のテーマと国際参与を目指す台湾のスローガンを組み合わせた「In Solidarity for a Green World, Chip in with Taiwan」の文字が書かれている。「Chip in with Taiwan」は台湾が強みを持つ半導体チップ(Chips)と、参与するという「Chip in」の2つの意味が込められた言葉で、気候変動の挑戦に対抗し、科学技術の実力とイノベーティブな精神によって、これからも国際社会と手を取り合って努力し、サステナブルな国土を作るために寄与していきたいとする台湾の立場を伝えている。
動画は2分30秒のフルバージョンと30秒のショートバージョンがある。現在すでに台湾華語(繁体字中国語)と英語字幕版が公開されているほか、今後、日本語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、アラビア語、ベトナム語、タイ語、インドネシア語、ウクライナ語の12言語の字幕版を制作・公開することになっている。動画は外交部及び「潮台湾」(Trending Taiwan)の公式YouTubeチャンネル、あるいはフェイスブック、インスタグラム、Threads、XなどのSNSで見ることができる。