文化行政を担う省庁・文化部のスペインにおける出先機関である駐スペイン代表処文化組(=部)が今年、スペイン語圏で最も大きく、主要なLGBT映画祭である「LesGaiCineMad, マドリード国際LGBTI+映画祭2024」と初めて提携、台湾が同映画祭のテーマ国を務めている。13日から24日まで、「台湾のクィア映画特集」(Cine Queer Taiwán: Abriendo Caminos de Libertad)として台湾の長編映画とショートフィルム計9本が上映され、台湾が自由と民主主義、人権の面で持つ進歩的な価値を伝えている。
同映画祭はスペインで最大かつ最も活発な同性愛者の権益に関する非営利組織・「Fundación Triángulo」が1996年から開催しており、今年は第29回。駐スペイン代表処文化組の張祐瑄組長(=部長)によると、文化組は昨年から同映画祭及び「Fundación Triángulo」と積極的に接触し、映画祭のキュレーターであるMiguel Lafuente氏と協議を重ねてきた。その結果、今年のテーマ国を台湾が務め、台湾における民主化や人権ならびに同性愛者の権利運動の歴史を紹介することに決まった。
上映されるのは《囍宴》(邦題:ウェディング・バンケット)、《河流》(邦題:河)、《刺青》(邦題:Tattoo -刺青)、《日常対話》(邦題:同じ)、《金銭男孩》(邦題:マネーボーイズ)、《春行》(邦題:同じ)、《桶妝仙女》(邦題:魔法のガス屋さん)などで、同性愛をテーマにした映像作品の多元性、豊富さ、テーマの自由度を探るラインナップとなっている。このほか《青春並不温柔》(邦題:青春の反抗)がコンペティション部門に、《珍珠美少年》が国際ショートフィルム部門にそれぞれノミネートされている。
キュレーターのMiguel Lafuente氏は、「台湾は民主主義のため奮闘して来た国で、LGBTQ+の権利保護でもアジアで最も先進的な法律を持つ」と評価、また同性愛をテーマにした映画創作者及び常識を打ち破るような映画作品に自由な創作空間を提供していると指摘している。