アジアを中心とした現代美術の発展を紹介する「アジアン・アート・ビエンナーレ2024」が16日、台湾中部・台中市の国立台湾美術館で開幕した。2025年3月2日まで開催される。「アジアン・アート・ビエンナーレ」は2007年にスタートし、今年で9回目を迎える。今年は世界各国から35組のアーティストが83点の作品を展示する。
台湾のキュレターである方彦翔さんと、アルメニア出身のキュレーターであるアン・ダヴィディアン(Anne Davidian)さん、フィリピンのアーティスト兼研究員のマーヴ・エスピナ(Merv Espina)さん、韓国のキム・ヘジュ(Haeju Kim)さん、トルコのアスリ・セブン(Asli Seven)さんらがキュレーションチームに参加している。
今年のテーマは「所有令人屏息的(How to Hold Your Breath)」(息を止める方法)となっている。「息を止める」という生命機能を自発的に一時停止する行為によって、ある種の期待するという状態を作り出すことを意味する。これは、「息を止めないで」(don’t hold your breath)という英語のフレーズを反転させたもの。深呼吸して息を止めることで、「いまこの瞬間」に私たちを固定しようと試みるものだという。
今回展示される作品は合計83点。そのうち19点は未発表の作品だ。キュレーションチームによると、今年のビエンナーレではアーティストたちがそれぞれの関係性、双方向性、即応性に基づいた経験的知識やライフスタイルなどからインスピレーションを得て、政治性あるいは美学などの側面から、世界秩序に関する新たな想像や実践を提案する。多様なメディアの形式を通じて「進歩論」と「普遍的な時間観」に対して疑問を投げかけながら、人や場所と緊密に結びついた歴史をつまびらかにする。また、帝国主義と新たな社会システムによって支配される現代の生活において、もつれあう植民地主義の暴力を乗り越え、それに取って代わる解放的な未来のために空間を切り開くという。
アジアン・アート・ビエンナーレ2024(所有令人屏息的-2024年亜洲芸術双年展)
会期:2024年11月16日~2025年3月2日、火~金09:00-17:00、土・日09:00-18:00(月曜休館)
会場:国立台湾美術館(台中市西区五権西路一段2号)
公式サイト:https://asianartbiennial.ntmofa.gov.tw/2024/zh-tw