農業部は18日、開発途上国の農林水産業の生産性向上、技術発展、貧困削減、環境保全を目的に1971年に設立された国際組織「国際農業研究協議グループ」(CGIAR)の下部組織「国際生物多様性連盟及び国際熱帯農業センター」(Alliance of Bioversity International and CIAT)のCarlo Fadda博士などの専門家が台湾を訪れ、台湾の農業分野の産官学関係者と交流を図ることを明らかにした。一行は22日まで台湾に滞在する。18日は早速、Carlo Fadda博士が台北市内で「Transforming Food Systems with Biodiversity」(生物多様性による食料システム転換の促進)をテーマに講演を行い、生物多様性がいかにして食料システムの転換を促進するかや、種子システムが生産システムを向上させる農業生物多様性の仕組みなどについて議論した。この講演は参加者から大きな反響があった。
農業部によると、「国際生物多様性連盟及び国際熱帯農業センター」(Alliance of Bioversity International and CIAT)は「国際農業研究協議グループ」(CGIAR)の下部組織で、地球規模の気候変動や生物多様性の損失、環境問題などの課題の解決に取り組んでいる。また、農業のサステナビリティや生物多様性の保護を通して世界の食料システムの転換を促し、人々の生活のクオリティ向上を図っている。今回、台湾を訪れたCarlo Fadda博士は生物多様性、バナナの種子保全、ゲノミクス、アグロフォレストリー、先住民族の知識体系と関連の政策などを研究対象とする。これらの学問領域は、台湾で現在注目されている研究や発展性などとの関連性が高い。
Carlo Fadda博士が率いる専門家グループは、駐EU兼ベルギー代表処農業組の職員の同行の下、中央研究院、亜蔬―世界野菜センター(The World Vegetable Center、WorldVeg)、バナナ研究所などの学術機関を訪問するほか、農業部の農村発展・水土保持署、農業試験所、林業試験所、生物多様性研究所、高雄区農業改良場などの研究部門と交流を深める予定だ。生物多様性による食料システム転換の促進や生物多様性に関する国境を越えた協力、地域コミュニティの農業生物多様性への参加や種子保全に関する経験などについて交流を深めることで、台湾の関係者が海外の趨勢などについて理解を深め、双方の今後の協力のために良好な基礎が築けるよう期待が寄せられている。