2024/11/23

Taiwan Today

政治

楊双子さんの「台湾漫遊録」が全米図書賞受賞、台湾初の快挙

2024/11/22
「台湾漫遊録」の作者、楊双子さん(写真右)と同作品の英訳を担当した金翎さん(同左)は、家族と共にニューヨークで行われた全米図書賞受賞式典に出席した。(文化部駐ニューヨーク台北文化センター提供、文化部)
米国で最高権威の一つとされる文学賞、全米図書賞(National Book Awards)が20日(米東部時間)に発表され、台湾の作家、楊双子(ようふたご)さんの作品「台湾漫遊録(邦題:台湾漫遊鉄道のふたり)」の英訳版が翻訳文学部門の大賞に選ばれた。台湾の文学作品が同賞を受賞するのは初めての快挙。朗報を聞いた文化部(日本の文科省に相当)李遠部長(大臣)は、まず作者と翻訳者への祝意を表し、「台湾の誇り。文化部が長きに渡って推進する翻訳出版助成事業におけるマイルストーンになった」との喜びを示した。
 
楊さんと同作品の英訳を担当した金翎(Lin King)さんは、共に家族を伴って受賞式典に出席するため、ニューヨークを訪れた。楊さんは受賞スピーチで、「台湾の人々は100年前、『我等台湾人の台湾である』と言ったが、今でも台湾の人々はそう言っている。ただ対話の対象が違うだけ。100年前は日本人に対して、現在は中国人に対してこの言葉を投げかけている。台湾は常に強力で攻撃的な国家と対峙してきた。台湾内部でも国民性と民族的アイデンティティは非常に複雑だ。私は台湾人とは何者なのかという問いに答えるために書く。そして、台湾の未来に向かって進むために過去について書く」と話した。
 
文化部によると、「台湾漫遊録」は2020年に春山出版社から出版された。2021年には台湾の出版分野で最高栄誉とされる金鼎奨の文学図書賞を受賞した。同作品はまた、文化部による翻訳出版助成事業に採用され、このほど米出版社のGraywolf Pressから英訳版「Taiwan Travelogue」が出版された。
 
文化部の米ニューヨークの出先機関、文化部駐ニューヨーク台北文化センター、駐ロサンゼルス台湾書院、駐ヒューストン台北経済文化弁事処台湾書院は、来年2月に楊さんと金さんを招いて、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストンを巡回する文学講座を開催する予定。米国各地の読者と会って、台湾文学の魅力を紹介できるよう期待が寄せられる。

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