楊さんと同作品の英訳を担当した金翎(Lin King)さんは、共に家族を伴って受賞式典に出席するため、ニューヨークを訪れた。楊さんは受賞スピーチで、「台湾の人々は100年前、『我等台湾人の台湾である』と言ったが、今でも台湾の人々はそう言っている。ただ対話の対象が違うだけ。100年前は日本人に対して、現在は中国人に対してこの言葉を投げかけている。台湾は常に強力で攻撃的な国家と対峙してきた。台湾内部でも国民性と民族的アイデンティティは非常に複雑だ。私は台湾人とは何者なのかという問いに答えるために書く。そして、台湾の未来に向かって進むために過去について書く」と話した。
文化部によると、「台湾漫遊録」は2020年に春山出版社から出版された。2021年には台湾の出版分野で最高栄誉とされる金鼎奨の文学図書賞を受賞した。同作品はまた、文化部による翻訳出版助成事業に採用され、このほど米出版社のGraywolf Pressから英訳版「Taiwan Travelogue」が出版された。
文化部の米ニューヨークの出先機関、文化部駐ニューヨーク台北文化センター、駐ロサンゼルス台湾書院、駐ヒューストン台北経済文化弁事処台湾書院は、来年2月に楊さんと金さんを招いて、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストンを巡回する文学講座を開催する予定。米国各地の読者と会って、台湾文学の魅力を紹介できるよう期待が寄せられる。