経済部(日本の経済産業省に相当)国際貿易署が主催、中華民国対外貿易発展協会(TAITRA 日本での呼び方は台湾貿易センター)が執行する見本市「台湾エキスポ(TAIWAN EXPO 2024)」がタイのバンコクで21日に開幕した。同見本市ではスマート製造、スマート医療、「智慧楽活」(先端技術を用いた、健康や環境を意識したライフスタイル)、サーキュラーエコノミー(循環経済)、文化と観光の五つが主要テーマ。台湾では生活の様々な面で情報通信技術が応用されていることを紹介し、双方が協力することによるビジネスチャンスの拡大を目指している。
「台湾エキスポ」は21日から23日まで、バンコクのクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センター(QSNCC)で開かれている。開幕式には国際貿易署の江文若署長、対外貿易発展協会の黄志芳董事長(=理事長)、タイ国政府コンベンション&エキシビジョンビューロー(TCEB)のPuripan Bunnag副局長、東部経済回廊(Eastern Economic Corridor, EEC)オフィスのKorkij Danchaivichit事務次長が出席した。
対外貿易発展協会の黄董事長は報道陣に対し、タイがASEAN(東南アジア諸国連合)でインドネシアに次いで二番目に大きい経済体であること、自動車、電子、工業、食品加工、エネルギーなどで成熟した産業を備えていることを指摘した上で、地政学的な動きが全世界のサプライチェーンを変化させる趨勢の中、タイの重要度がますます増しているとの認識を示した。また、タイの「BCG(バイオ・循環型・グリーン)政策」と台湾が2050年のカーボンニュートラルを目指す目標は一致しており、両国には非常に良い協力機会があると主張した。
黄董事長はまた、タイがメディカルツーリズム大国で成熟した産業を有していることに触れ、今年の「台湾エキスポ」の目玉の一つはスマート医療で、台湾の業者の多くがAI技術を健康診断やスマート検査、スマート病室などに応用しているとして、タイのメディカルツーリズムが持つ大きな市場への参入に期待を寄せた。
台湾の張俊福駐タイ代表は、「台湾エキスポ」はタイの人たちに台湾の工業水準を理解させるツールだと指摘。その例として台湾の優れた製品ブランド「台湾エクセレンス」のプロダクトを展示することが台湾のイメージアップに役立つことを説明した。そして今年の「台湾エキスポ」では医療、観光、文化などの要素も新たに加えており、台湾の発展状況をより完全な形で示すことが出来ると期待した。
対外貿易発展協会の資料によれば、過去5回に及ぶタイでの「台湾エキスポ」に参加した台湾の企業は919社で、来場者は延べ16万9,000人以上。3億1,700万米ドルのビジネスチャンスにつながった。
2023年における台湾とタイの二国間貿易総額は162億米ドルで、台湾にとってタイは13番目に大きい貿易パートナー。今年に入ってから第3四半期までに台湾が行った対タイ投資は74件で、前年同期比で24%増えた。投資額は合計4,580万米ドルで、そのうち金額が最も大きかったのは電子部品の製造だった。
今年の「台湾エキスポ」には台湾の企業170社以上が参加。会場には10のイメージパビリオン、特色別のコーナーが6つ、ブース220個が設けられている。