頼清徳総統の選挙公約を実現するため、教育部が提出した「青年百億海外圓夢基金計画」が21日、行政院院会(閣議)で可決された。内訳は、若者から提出された企画に対して経費助成を行う①「築夢工場組」、政府が海外の組織や機関でインターンの機会を与える②「海外翱翔組」、それに年度ごとにテーマが異なる③「年度旗艦計画組」の3つの部門が用意される。申請できるのは15歳から30歳までの若者に限る。①と②の1人当たりの経費助成は150万元~200万元(約711万~949万円)となる。いずれも2025年1月から第1段階の募集を発表する。
頼清徳総統は選挙期間中、「国家希望工程」(希望のための国家プロジェクト)の選挙公約を掲げ、その重要項目の一つに「次世代のために投資を行う」ことを挙げていた。これは、若者の発展を多様な側面から支援するというもので、具体的には海外留学、海外でのインターン、国際試合への出場、あるいはさまざまな分野での交流参加を支援し、若者の国際視野を広げることを指す。
教育部青年発展署はこの公約を実現するため、2025年より「青年百億海外圓夢基金計画」を実施する。募集はは来年1月からスタートする。詳細は公式サイト「iYouth青年国際圓夢」(https://iyouth.youthhub.tw/index.php)を参照のこと。
「青年百億海外圓夢基金計画」は4年計画で、100億台湾元(約475億日本円)の予算が編成される。そのうち「築夢工場組」は、かなえたい夢についての企画書を提出する。例えば環境のサステナビリティの問題解決に取り組む海外の組織でインターンを行いたい場合、それに関する企画書を提出する。審査に通った場合、教育部がこれを支援するためのリソースやメカニズムを提供して夢の実現を支援する。2025年度は200人以上の若者を支援したい考え。
「海外翱翔組」は関連省庁と民間組織が協力し、国際組織あるいは基金会、シンクタンクでのインターン、青年議会や交流、起業と産業の人材育成、それにさまざまな青年のアクションに関する多様なテーマごとに、若者に海外でのインターンあるいは人材育成に参加する機会を与えるというもの。例えば日本の動物園で飼育について学ぶ、フランスの議会や起業ステーションで交流や実習をする、イタリアで調理を学ぶ、といった機会が提供される。教育部は2025年度、350以上の機会を提供したいとしている。
「年度旗艦計画組」の2025年度のテーマは「環境のサステナビリティ」とする。これは政府が「ネット・ゼロ」を目標に掲げていることに呼応するもので、教育部と環境部が協力して、各国の環境団体と交流したり滞在できる機会を用意する。こちらは60人以上の枠を用意したい考えだ。
閣議で計画が可決されたことを受けて総統府の郭雅慧報道官は21日、「頼清徳総統は若者が勇気をもって夢を追い、積極的に国際交流に参加し、世界情勢を学んで人生の旅を豊かにし、ひいては台湾の市民社会の進歩と発展のためのエネルギーをさらに充実させることを願っている」と述べ、若者たちが奮って参加するよう呼びかけた。