外交部の林佳龍部長(外相)は16日から25日まで、ベルギーにある欧州議会をはじめ、リトアニアやポーランドなど欧州各国を歴訪した。この外遊は大きな成果を収め、台湾と欧州の民主主義同盟の協力深化につながった。
まず、ベルギーを訪問した林部長は、ルーヴェンにある世界的な半導体研究開発機関「imec」(アイメック)の本部を訪れ、CEO(最高経営責任者)のルク・ファンデンホーブ氏と会談。台湾・欧州間で最先端半導体のサプライチェーン強靭化の連結を強化することについて話し合った。
林部長はその後、リトアニアを訪問。台湾から連れてきた「台湾卓越無人機海外商機聯盟」とともに21日、台湾とリトアニアの共催による「無人機産業フォーラム」に出席した。林部長はリトアニア国防省のモニカ・コロリオビエネ副大臣とともにフォーラムの開会式で祝辞を述べた。このフォーラムは台湾とリトアニア、それに欧州各地から無人機関連の企業関係者約60社、200人以上が集まり、盛大に開催された。フォーラムではまた、台湾とリトアニアの無人機産業を代表して、台湾の「台湾卓越無人機海外商機聯盟」とリトアニアの「Lithuanian Defense and Security Industries Association」が覚書(MOU)を締結。無人機の民主同盟によるサプライチェーンを盛り上げる決意を示した。林部長はリトアニア滞在期間中、リトアニア与野党の親台湾派議員21人と交流し、近い理念を持つ国々と国会交流を推進していくことの意義をアピールした。
続いてポーランドを訪問した林部長は22日、中華民国国際経済合作協会が台湾のICT(情報通信技術)、エレクトロニクス・半導体、スマートシティ・モビリティ、無人機産業などの企業を率いて現地で開催した「台湾・ポーランド経済協力強化フォーラム」に出席した。また、翌23日にはウッチで、ポーランド台湾工商協会と台湾ポーランド商業協会の覚書(MOU)締結に立ち会った。この2つの組織は今後、中華民国国際経済合作協会とポーランド商工会議所(KIG)と連携しながら、台湾とポーランドの経済・貿易に新たな局面を生み出し、経済・貿易外交を助けていくことで一致した。
林部長は同じ日、台湾が展開する「価値外交」の精神を伝えるべく、ポーランドの首都ワルシャワで行われた、台湾からウクライナへの発電機580台、台湾ブランドのノートブックパソコン2,600台の贈呈式に立ち会った。これは、ウクライナ都市同盟(Association of Ukrainian Cities、略称AUC)を通して寄贈するもので、ウクライナで学ぶ人たちのデジタル・デバイド(情報格差)の解消に協力する。寄贈物資の総額は1,000万米ドル相当。林部長はこのほか、中華電信とウクライナの都市ブチャによる協力意向書の調印にも立ち会った。これは、中華電信がブチャにウクライナ初の「5Gスマートシティモデルエリア」を設置するというもの。民主陣営とともに肩を並べ、これからもウクライナが必要とする支援物資を提供し、ウクライナの復興に協力するという台湾の姿勢が示された。