国家科学及技術委員会とフランス科学アカデミー(Académie des sciences)は27日(フランス時間)、フランス・パリにあるフランス学士院(Institut de France)で、第26回「台仏科技奨」(台湾・フランス科学技術賞)を中央研究院生物化学研究所の徐尚徳副所長とフランス国立衛生医学研究所(Inserm)Institute of Psychiatry and Neuroscience of ParisのCyril Hanus博士に授与し、分子生物学領域の研究で協力し、卓越した成果を挙げたことを称えた。
国家科学及技術委員会によると、徐尚徳副所長はタンパク質の構造と機能に関する研究を行っており、溶液核磁気共鳴分光法(NMR)やクライオ電子顕微鏡(cryo-EM)技術方面で顕著な進展がある。コロナ禍期間中、フランスのCyril Hanus博士と協力し、高効率の分子シミュレーション・ツールを開発し、糖タンパク質の完全な分子モデルを構築し、タンパク質のグリコシル化の構造について深く分析。病原体がいかにして宿主を識別し、免疫系統の攻撃から逃れようとするのかを説明する要因を探し出した。
「台湾・フランス科技奨」は国家科学及技術委員会とフランス科学アカデミーが締結した「台湾フランス科技基金協定」に基づくもので、双方が共同で授賞式典を行うことになっている。1999年にスタートして今年は第26回目となる。台湾とフランスの科学技術協力にとって重要な象徴となっており、フランス科学アカデミーが毎年11月に授与する大賞(Grands Prix)の1つに数えらる。
国家科学及技術委員会は今回、授賞式と同時に、「台仏科技奨」の賞金や研究領域の拡大、推薦書の要求や交流に対する補助などの内容調整を盛り込んだ新たな協定に署名した。台湾とフランスの科学技術分野の共同研究をさらに促進することを目指す。