頼清徳総統は21日、2024年「第2回台湾真英雄(HERO@TAIWAN)」表彰式でプレゼンターを務めた。その年に活躍した「台湾の真の英雄」を選ぶこのイベントは、内政部の指導の下、台湾真英雄執行委員会と三立電視慈善基金会が共同で主催するもの。また、台湾世界展望会(ワールド・ビジョン・タイワン)、信誼基金会、荒野保護協会、Impact Hub Taipaiの4つの非営利団体と非政府組織が協力し、世代や分野を超えた視点から、合計15名からなる審査員とともに今年の「台湾の真の英雄」12組を選出した。
今年は、下は14歳から上は83歳まで合計162組のエントリーがあった。そこから一次審査、二次審査と進み、最後に30組の最終審査が行われた。最終審査は今月15日に行われ、厳正な審査の結果、12組が選出された。今年のカテゴリーは「サステナビリティ」、「善行・義挙」、「台湾の誇り」、「ソーシャルイノベーション」の4部門で、受賞者は以下のとおり。
「永続発展」(サステナビリティ)
丁澈士さん:土木研究者。日本統治時代の日本人技師、鳥居信平が屏東に建設した地下ダム「二峰圳」を長年研究。2023年に日本の旭日中綬章を受章した。
台湾千里歩道協会:台湾全土を一周する遊歩道を開設することを目標に、手作業で山林に歩道を設置し、市民がより自然と親しめるよう寄与した。2021年「第11回総統文化奨」を受賞。
ロビン・ウィンクラー(華語名:文魯彬)さん:アメリカ人の環境活動家兼弁護士で、現在は中華民国に帰化。台湾の環境問題解決に取り組む。
陳凱翔さん:非営利団体「One-Forty」を立ち上げ、外国からの出稼ぎ労働者が暮らしやすい生活環境を整える。
「善行義挙」(善行・義挙)
杜歆さん:南投県セデック族出身の医師。医療資源が乏しい台東県の「南迴」エリア(金峰郷、達仁郷、太麻里郷、大武郷)でへき地医療に従事する。
消防署特種搜救隊:国内精鋭の消防隊員からなる救助隊グループ。2023年のトルコ・シリア地震では、震災発生6時間以内に準備を整え、8000㎞の距離を移動し、海外の救助隊としては最初に到着し、2名の生存者を救出した。国連の公式サイトにも登録され、「Taiwan can help」の精神を示した。
高山保線員(山岳部のラインマン):20㎏の装備で中央山脈を移動して送電線の点検を担い、花蓮・台東エリアの安定した電力供給を守る。
楊婕妤さん:行き場を失ったエイズ患者を受け入れる「関懐之家」を1986年に立ち上げる。現在はオーバーステイなどの外国人労働者から生まれた戸籍・国籍のない子どもも受け入れる。
「台湾之光」(台湾の誇り)
呉奇軒さん:トリッキング(Tricking)のコーチとしてチャンネル登録者数1000万人を誇るYoutuber。
荘智淵さん:卓球の台湾代表。現在43歳、台湾のアスリートでは最も多い過去6回の五輪出場経験を持つ。高雄に智淵乒乓球館を開設し、後進の育成に努める。
「社会創新」(ソーシャルイノベーション)
柯志諭さん:科学技術を駆使して無農薬による農業に取り組む若き生産者。
黄暐程さん:プラスチックの使用を減らすため、「奉茶アクション」アプリを開発。台湾全土にある14,000か所の給水スポットをアプリで表示し、ユーザーがマイボトルなどを使って水を飲むことを奨励。年間230万個のペットボトルの使用を削減し、二酸化炭素排出量を数百トン減らすことに成功。プラスチックの過度な使用という難しい問題を解決することで世界を変えようとしている。
★★★★★
頼清徳総統は、「自分の心の中では、社会をより良くしようという気持ちがある人は誰もが英雄だ。我々は英雄たちが台湾の至るところに点在し、理想を抱き、情熱を持ち、愛と行動をもってこの社会を助け、一人ひとりを助けていることを深く実感している。彼らの多くが名もなき英雄であり、黙って社会のために貢献しているのだ。本日は台湾の人々を代表して、すべての受賞者を表彰することができ大変光栄だ。彼らの成功が社会の手本となり、もっと多くの人がこれに続くことを期待している」などと述べた。