2024/12/29

Taiwan Today

政治

文化部、家庭内での台湾語使用を奨励

2024/12/26
文化部は25日、国民が家庭内で台湾語を使用するのを奨励するため、「培育台語家庭計画」(台湾語使用家庭を育成する計画)を推進することを宣言した。写真は計画の概要について説明する文化部の李遠部長。(文化部)
文化部は25日、国民が家庭内で台湾語を使用するのを奨励するため、「培育台語家庭計画」(台湾語使用家庭を育成する計画)を推進することを宣言した。台湾語とは閩南(びんなん)語とも呼ばれ、中国・福建省にルーツを持つ台湾人(台湾の住民の大部分を占める)が使用する言語であり、こうした人々にとっての「母語」である。25日の記者会見では文化部の李遠部長が「どのエスニック・グループの母語も台湾の主流を成す言語だ。ぜひ家庭内から母語を話すことをはじめ、そしてあらゆるエスニック・グループを尊重するようになって欲しい」、「あらゆる母語を平等に扱うことは、あらゆるエスニック・グループの平等を意味するからだ」などと語った。
 
台湾では、母語の伝承と使用を強化するため、原民族委員会が「族語家庭」(家庭内で先住民族言語を話すこと)を、客家委員会が「客語家庭」(家庭内で客家語を話すこと)と名付けた母語使用奨励事業に取り組んでいる。これに続いて文化部が打ち出したのが「培育台語家庭計画」(台湾語使用家庭を育成する計画)だ。
 
文化部が2020年にまとめた「面臨伝承危機国家語言調査」(伝承の危機に直面する国家言語の調査)と行政院主計総処が同じ年に実施した「人口及住宅普査」(国勢調査)によれば、若い世代で母語を使用する人口が急速に減っていることが分かった。こうした状況を受けて原住民族委員会は先住民家庭、客家委員会は客家(ハッカ)人家庭を対象にした母語使用奨励事業に取り組み、成果を挙げている。文化部も他の省庁の取り組みを参考に、まずは「台湾語使用家庭」を増やす計画を立ち上げた。
 
「培育台語家庭計画」(台湾語使用家庭を育成する計画)に参加できるのは、二世代(親と子、あるいは祖父母と孫など)が同居する構成員2人以上の家庭、あるいは婚姻関係にある夫婦、パートナーなど。また、現在の母語の使用状況に応じて、新たに台湾語を学び、台湾語でコミュニケーションができるようになることを希望する家庭は「予備台語学習家庭」に、すでに台湾語を使用してコミュニケーションをすることが可能な家庭(つまり聞く、話すことが可能)は「予備台語文化家庭」に申請する。
 
申請条件に合致する家庭はオンラインで登録を行う。初めて「台語学習家庭」に登録する家庭には、「kóng Tâi-gí」(台湾語を話す、という意味)と名付けられたギフトバックがプレゼントされる。中には手引き、パンフレット、しおり、台湾語の読み物2冊が入っている。このほか、2025年2月28日までに「予備台語学習家庭」あるいは「予備台語文化家庭」への登録を済ませると、本来なら20ポイント必要なミッションが、10ポイントでクリアできる。つまり、1人当たり10ポイントのミッションをクリアすることで、「台湾語奨励金」と抽選に参加する権利が与えられる。詳細については文化部の公式サイト「国家語言数位資源網」(https://ntlgportal.moc.gov.tw/home/zh-tw)の特設ページ「培育台語家庭計画」(https://tg.moc.gov.tw/ptgl-user-service/login.html)を参照のこと。
 

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