政治
「八八水害」から満2年、官民協力で新たな復興モデル確立へ
2011/08/08
呉敦義行政院長(右2)は会見の冒頭で、すべての復興に関わった人に感謝すると述べ、深々と頭を下げた。
台湾総人口の40%に影響をもたらし、699人の死者を出した2009年の台風8号(モーラコット)による大規模水害から、8日で2年を迎えた。政府は「復興の道」としてこれまでの成果を報告、呉敦義行政院長は記者会見で、恒久住宅「永久屋」2,964戸の建設などで、1万人以上が恩恵を受けたことなどを説明し、政府各省庁や地方政府、企業、基金、NGO(非政府組織)など復興に尽力したすべての人々・団体に謝意を表明した。
政府発表によると、今年度の復興工事の達成率は94.96%。モーラコットの被害から浚渫土量は計1億7,133万立方メートルに上り、土石流による深刻な被害のあった地区18カ所や、阿里山公路などの道路、甲仙大橋などの橋梁、屏東県高樹郷の旧寮堤防など、インフラの復興はほぼ完了した。また、産業面でも、蘭産業の2010年生産額は前年比32%成長と、完全に復旧した。
呉院長は、モーラコットでの救助活動における動員数が延べ112万人と、921大地震(1999年の台湾中部大地震)をも上回る過去最高となったことにも触れ、消防や警察、国軍などの救助隊の中から5人の犠牲者を出すなど多くの人の苦労に思いを馳せ、声をつまらせる場面もあった。
さらに呉院長は、復興作業は3年を一区切りとし、現時点で改善の余地はもちろんあると述べた上で、今後も責任を持って復興への取り組みを進めると約束した。