馬英九総統は、「92コンセンサス」の「一つの中国」は中華民国で、中華民国の主権を損なうものではないと強調した。(中央社)
馬英九総統は28日、「92コンセンサス」について記者会見を開いて説明した。馬総統はまず、「中華民国は我々の国家であり、台湾は我々の家だ。青天白日満地紅旗はわが国中華民国の国旗だ」と強調して同概念を明確にすると共に、台湾の団結と調和、ならびに台湾海峡両岸関係の平和的な発展は必ず助けになると信じると述べた。
馬総統は、「92コンセンサス」の意味は「一つの中国の解釈は各自が表明する」ことで、当時の両岸間のコンセンサスだと説明、「我々にとって、いわゆる“一つの中国”は当然、1912年に建国されて今に至る中華民国だ」と明言。そして、「92コンセンサス」を以って両岸対話の基礎とすることは中華民国の主権を損なわないばかりか、両岸が協定に達する過程において中華民国の主権に重要な役割を果たさせ、我々の憲法の位置づけにも呼応することになるとの見方を示した。
馬総統は、「92コンセンサス」を通すことで、海峡両岸は主権問題では依然として合意できないものの、その争いをは棚上げして対話を続けてきたのであり、これが過去三年来、我々と中国大陸側に15項目の協定を結ばせた重要な原因だと述べ、「92コンセンサス」の意義を説明した。
馬総統はそして、台湾が未来に向き合う時、台湾の共通認識は、憲法の枠組みの下で、「中国大陸と統一しない、台湾は独立しない、中国大陸と戦わない」ということだと皆が心から意識するよう希望した。
※「92コンセンサス」・・・1992年に台湾の対中国大陸窓口機関・海峡交流基金会と中国大陸側、海峡両岸関係協会が合意したとされる「コンセンサス」。「92年合意」とも。中華民国(台湾)では、「一つの中国の解釈は各自が表明する」という合意であり、ここでいう「中国」は中華民国を指すという立場。