6歳のメス、「貴華」。人を見ると緊張しがちだという。(中央社:台北市政府提供)
台北市政府がタンチョウを迎えるために組織した代表団が12日、日本の北海道釧路市に向けて出発した。14日夕方には、日本が台北市立動物園に寄贈するタンチョウ二羽と共に帰国する。日本がタンチョウを海外に輸出するのは初めて。双方の、国際的な動物保護の上での交流と互恵関係を象徴するのみならず、台北市の自然保護への取り組みに対する評価であり、両国の友好関係を促進する意義深い寄贈となる。
台北市では、2008年にジャイアントパンダ二頭を受け入れた時と同じ、最高レベルの受け入れ態勢をとっている。団長を務める台北市観光伝播局の趙心屏局長は、今回の訪日は自然生態保護の重要な意味を持つとした上で、タンチョウを迎え入れることを日本人観光客の呼び込み強化につなげる考えを示している。
日本は1925年にタンチョウを天然記念物に指定。タンチョウは国際自然保護連合が作成する「レッドリスト(絶滅する恐れのある野生動物リスト)」に入っている他、ワシントン条約(CITES)で「今すでに絶滅の危機にある生き物」を示す付属書Iに分類される、世界が保護するきわめて貴重な鳥類。釧路市は今回、台北市立動物園に、9歳のオス「BIG」と6歳のメス「貴華」を贈る。
タンチョウを迎え入れるため台北市立動物園では飼育施設を整備、タンチョウの生息地に近い環境を創り出し、二羽が適応しやすいようにしている他、繁殖への準備も整えている。
台北市の郝龍斌市長は、8月下旬に釧路市の小松正明副市長が台北市を訪れた際、台北市政府が特別に製作した「BIG」と「貴華」の中華民国(台湾)の国民身分証を手渡し、タンチョウ二羽を「台北市民」として歓迎する姿勢を強調した。
「BIG」は10月30日に一般公開される予定。「貴華」は年明け以降の公開と見られる。