馬英九総統は6日、「黄金十年、国家ビジョン」の三回目の政策説明会を開催し、4つ目のビジョン「良質の文化教育」と5つ目「持続的な環境」について説明した。まず総統は、「文化創意」と「教育の革新」が、「良質の文化教育」の核心であり、これにより国民の素養と国家の競争力を高める目的だと述べた。また、「持続的な環境」は、「グリーンエネルギーと二酸化炭素削減」、「エコロジーな暮らし」、「防災と災害救助」を三本柱として、政府がよりよい生活環境の構築に引き続き取り組むと説明した。
馬総統は、国家のイノベーションとは、ハイテクノロジーだけでなく、昨年に自身が提示した「文化立国」の概念に基づく文化的なイノベーションも含むと指摘、「良質の文化教育」はこの理念に基づくものだと述べた。中華民国(台湾)を世界の中華文化の案内人とし、また伝統文化の真髄と、自由で民主的な環境により育まれるアイディアを結合させ、文化の領域での強みを世界で発揮したいとの考えを示した。
また、世界各地での文化センター展開を現在のニューヨーク、パリ、東京の3カ所からさらに8カ所増設、このほか、さまざまな分野の台湾研究と漢学研究の成果融合などを目指す「台湾書院」も設置していく。国内では国立故宮博物院の拡張や同院南部院区の開設、高雄や台北での流行音楽センターなど各地での芸術文化施設の設置を予定している。
教育については、2014年に高等学校(および高等専門学校など)の学費を完全免除、一部の際立った特色のある学校を除き75%の入試免除(10年後までに85%に引き上げ)を実施。量ではなく質を向上させながら、より学生のニーズに寄り添ったものにする方針を示した。
一方、「持続的な環境」の柱、グリーンエネルギーと二酸化炭素削減については、今後5年~10年以内に再生エネルギーの開発に集中的に取り組むとした。また産業構造の調整を進め、低炭素、再生エネルギー、省エネなどの流れに歩調を合わせる方針だ。このため、今後エネルギー税法を制定し、エネルギー税を徴収するとの考えを示し、「目的は財源とするためでなく、エネルギーの使用をより合理化するため」と強調した。