馬英九総統は24日午後、彰化県大城郷を訪れた際、政府が台湾海峡両岸の「和平協議」締結を推進するのは両岸の平和な現状を制度化するためで、タイムテーブルは無いと強調した。馬総統は、「和平協議」締結の条件として「十大保証」を提示。「十大保証」とは、「一つの枠組み」、「二つの前提」、「三つの原則」、「四つの確保」を合計したもの。
「一つの枠組み」とは「中華民国憲法の枠組み」を指す。この枠組みの下で、「統一しない、独立しない、戦わない」という現状を維持し、「92年コンセンサス(一つの中国の解釈は各自が表明する)」の基礎の上に立って両岸交流を推進する。
「二つの前提」とは、国内の民意が高いコンセンサスに達することと、両岸間に十分な相互信頼関係が積み重ねられること。これらがそろってはじめて、「和平協議」締結を推進する可能性が生まれる。
「三つの原則」とは、国家にとって必要で、民意が支持し、国会が監督するという原則に従って慎重に進めること。馬総統は、この原則が変えられることはなく、交渉の前後いずれにおいても、政府の行為については国民によく理解させ、出来る限りの透明化を図るとしている。
「四つの確保」とは、中華民国の、欠けるところの無い完全な主権の独立、台湾の安全と繁栄、エスニックグループの融和と両岸の平和、継続可能な環境と公平正義の社会を確保すること。
馬総統は、「両岸和平協議」締結には時間的なプレッシャーは無く、タイムテーブルは無いと改めて述べ、条件が成熟しなかったり、前提が満たされなければ政府はこれを推進しないとして、民意の十分な支持と両岸間の十分な相互信頼関係の下、はじめて可能になるとの認識を示した。そして、「両岸和平協議」は両岸の統一を目指すためのものではないと重ねて強調。馬総統は、政府の、「統一しない、独立しない、戦わない」という立場は明確で、中国大陸側と統一について話し合うことはないと明言する一方で、平和は間違いなく皆が望むものであり、政府は「和平協議」締結への手続きを通して台湾の長期にわたる平和な環境を確保し、国民が安心して働き、暮らせるようにしたいのだと説明した。