政治
外国籍配偶者・自営業者、新退職金制度の適用対象に
2011/10/28
退職金基金は、「労工退休基金監理会」によって管理されている。(同会サイトより)
行政院は27日、労働者委員会(労委会)が提案した「労工退休金条例(労働者退職金規則)」一部条文の改正案を閣議で承認した。今回の改正では外国籍配偶者(中国大陸籍、香港・マカオ籍を含む)も含まれるよう、法の適用対象を拡大した。また、自営業者も自発的に退職金を積み立てることができる(月額収入の6%以内)こととし、事業者が年金保険を設置できるハードルを調整した。さらに、身体障害者が障害認定を受ければ、前倒しで退職金を受け取れることとし、障害者の老後の生活がさらに経済的に保障されることとなる。改正案は今後、立法院で審議される。
同条例による退職金の新制度は2005年7月1日からスタート、一般の雇用者は退職金の受給について、新制度と旧制度から選べるようになっている。ただ、外国籍の配偶者や労働者は、労働者保険(雇用保険に相当)には加入できるが、退職金の受給は旧制度によるものでなければならない。このため、転職すると、勤続年数がリセットされ、退職金の額に大きな影響が出てしまう。今回の法改正では、2万6,000人余りの外国籍配偶者と労働者が、台湾の人と同様の退職金制度に組み入れられることとなる。
改正のポイントは以下の8点。
(1)わが国に戸籍を持つ国民と結婚し、居留が認められた台湾地区で労働する外国人、中国大陸地区人民、香港・マカオ住民を本条例の適用対象とし、自営業者は自発的に退職金を積み立てることができる。(第7条に追加)
(2) わが国に戸籍を持つ国民と結婚し、居留が認められた台湾地区で労働する外国人、中国大陸地区人民、香港・マカオ住民、および本条例の施行から5年後に本国籍(中華民国国籍)を取得した労働者は、適用する退職金制度および適用する労働基準法の退職金規定の要件を選択することができる。(第8条の1に追加)
(3)労働者が引き続き選択する労働基準法の退職金規定について、解雇手当と退職金の支給規定を改正。(第12条を改正)
(4)雇用主が積み立てなければならない金額について、調整や申告を真実に基づき行わなかった場合、労働者保険局は調査の上、額の修正や調整を行うことができる。(第15条に追加)
(5)心身障害者が退職金を事前に一括して受け取ることができる。(第24条の2に追加)
(6)事業者が年金保険に加入することのできる用件を改正。(第35条を改正)
(7)労働者個人の、退職金専用口座(労保局)と、年金保険口座(保険会社など)において、積み立てた額についての相互移転に関し、それぞれ積み立て期間が4年を満たさなければならないと新たに規定した。(第38条に追加)
(8)雇用主が、本条例が規定する積み立てや報告、文書保存の義務に違反したときの罰則を追加。(第49条に追加)