離島・蘭嶼における核廃棄物の問題で、経済部は10月31日、政府は1997年9月に「放射性廃棄物管理方針」を修正、中華民国(台湾)における放射性廃棄物の管理に対する措置と計画は万全だと強調した。
経済部によると、蘭嶼における放射性廃棄物貯蔵施設は1982年5月から専用ドラム缶に詰めた固形廃棄物の受け入れを始めたが、貯蔵容量に限りがあり、1996年4月には受け入れを停止した。累計ではドラム缶9万7672本の低放射性の廃棄物を受け入れ、そのうち約10%は原子力発電所以外の、医療、農業、工業、学術機関、研究機関などからのもの。貯蔵缶の腐食問題については、台湾電力がスケジュールどおりに検査と詰め替え作業を進めており、今年年末にはすべての作業が終了する予定だという。
蘭嶼貯蔵施設の安全管理については、行政院原子力エネルギー委員会が現地に直接的な放射線測定ステーションを5箇所設置しており、これまでの測量結果はいずれも自然環境を背景とした変動の範囲内にとどまっている。環境観測サンプル分析でも、原子力エネルギー委員会放射能測定センターの観測結果で異常がなく、貯蔵施設周囲の環境が影響を受けていないことが確認されている。
核廃棄物の最終的な処理問題について、経済部は台湾電力に全面的な計画を要求、現在は「低放射性廃棄物最終処分施設設置条例」により、最終処分施設の建設場所の選定作業を進めている。今後は候補地の提示後、地元の自治体との協議、地元での住民投票という手順となる。候補地のある自治体の住民による住民投票で設置案が通過した場合は、環境アセスメントが行われ、建設許可が取得できてはじめて建設の運びとなる。
最終処分施設建設場所の選定過程において、蘭嶼については、地元住民との従来のコンセンサスに従って住民の意見を尊重、蘭嶼住民が候補地となることを望まないかぎり、候補地から外すことにしている。