行政院農業委員会(農委会)の最新統計によると、今年10月末までの日本へのマンゴー輸出量は1,161トン、同輸出額は834万米ドルで、前年同期比でそれぞれ15.1%、25.7%増加した。日本の輸入マンゴーのうち台湾産は22%、2番目のシェアを占めた。
また、日本の農林水産省の輸入統計によると、今年1~8月のマンゴー輸入額の上位3位は順に、メキシコ、台湾、タイだった。しかし一方で、1キログラム当たりの輸入単価では、メキシコ産294円、台湾産641円、タイ480円と台湾産が他を圧倒し、農委会は「台湾マンゴーの質が、日本の消費者に高く評価されていることの表れ」と説明した。
農委会は近年、日本への販路を拡大するため、マンゴー農家が輸出向けの果樹園を設置すると同時に、日本向けマンゴーの安全管理体制を確立するよう指導してきた。さらに、輸出マンゴーを提供する農家と輸出業者が協力契約を結び、標準化した作業フローを定め、生産から輸出までのサプライチェーンを構築、講習会や日本向け専用の集荷場の設置、農薬検査の強化などに取り組んできた。こういった産官学の共同の取り組みのもと、台湾マンゴーは4年連続で残留農薬が日本の基準を満たし、昨年には日本側がこれまでの荷口ごとの検疫に代え、一般のランダムなサンプル調査とすることに同意したため、通関の所要時間が3~5日間短縮された。農委会は、台湾マンゴーの安全と良質のイメージを維持するため、引き続きこの体制による管理を行っていくと表明している。
また、日本から派遣された検疫官による、輸出前の台湾でのくん蒸処理に関し、安全管理体制による4年間の基準合格が実を結び、今年からは検疫官がこれまでの4人から1人に減員、台湾側が負担する検疫官派遣費用の50%削減が実現し、日本への輸出コストが低減した。また、一部の作業は農委会動植物防疫検疫局の検疫官が日本側の授権を得て行うこととなり、効率が向上した。
台湾マンゴーの総輸出額は、今年10月までで1,441万米ドル。農委会では国際市場での販売はさらに成長する余地があるとみて、海外での特売会や贈答品予約販売などの開催を通じ、販路を開拓していく方針だ。