香港政府は毒性の強い「H5N1型」の鳥インフルエンザウイルスの検出を発表、発生状況について「警戒」レベルから「深刻」レベルに引き上げた。これを受け、行政院衛生署疾病管制局(疾管局)は空港での旅客の発熱を感知するサーモグラフィー検査や、鳥類との接触に関する履歴調査を強化すると表明した。同時に国民に対し、海外旅行の際には自己対策を採り、感染を防ぐため手洗いの励行および鳥類との直接の接触を控えて欲しいと呼び掛けている。また市場では特に注意し、鶏やカモ、アヒルなどの肉や卵は完全に火を通して食用し、個人的な取引は行わないよう警戒を促した。
疾管局は、21日から桃園国際空港に検疫スタッフを配置し、香港やマカオ、中国大陸からの旅客に対するサーモグラフィー検査や鳥類との接触に関するアンケート調査を行った結果、同日夜の時点で発症例はみられていない。
同局によると、国内には鳥インフルエンザワクチン20万本余りの備蓄があるが、現時点では特にヒト用のワクチンの配布は必要ないとみている。一方で、国内外での感染が拡大した場合、専門家を集めて感染リスクの高い医療・防疫従事者に対するワクチン接種を検討する。
また、行政院農業委員会動植物防疫検疫局(防検局)は、来年4月まで台北野鳥協会に委託し、台湾全土に観測ポイント10カ所を設置、スズメやキジバト、コサギなど留鳥や渡り鳥を対象に4,000個体のサンプル検査を行いながら厳戒態勢を採る。
最新の情報は疾管局サイトの「国際観光情報」ページ(http://www.cdc.gov.tw)で随時更新している。