立法院は19日、就業服務法改正案を可決、外国人労働者の中華民国(台湾)における就労期間累計上限を現行の9年から12年に改めた。適用範囲は、就業服務法第46条第1項8から10に定められる職業(海洋漁業者、家庭使用人、国家の重要な建設工事、もしくは経済社会の発展に必要で、中央主管機関が指定する職業)で、具体的にはホームヘルパー、家政婦の他、製造業、建設業、海洋漁業者などブルーカラーの労働者も。
行政院労働者委員会が雇用主に発行する雇用許可は2年間で、手続きによって1年の延長が可能だったが、今回の法改正で延長手続きを廃止、雇用許可を3年間と改めた。さらに累計で就労可能な年限は12年間に拡大。
従来の就業服務法の規定では、外国人労働者が台湾で就労する場合、滞在可能なのは9年までだったため、優秀な労働者であっても台湾を離れなければならなかった。法改正で、新たにやってくる労働者に対する研修コストを減らせる他、後任が定着するまでの空白期を避けられ、雇用・就労に際しての仲介費も減らせることになる。また、労働者側にとっても、経験を長く積んで熟練することで事故の可能性を下げることができ、作業能率も上げられる。労働者が失踪するケースも減らせると見られている。
中華民国の本国人労働者の権益が損なわれると懸念する声に対し、行政院労働者委員会では、外国人労働者が入れ替わる頻度が減るだけで、本国人労働者が影響を受けることはないと説明している。
この他、雇用主がこれら労働者を雇うために納める「就業安定費」の支払いが遅れた場合に徴収される滞納金を、従来の1日1%から0.3%に引き下げると共に、上限も安定費の1倍から30%に減らし、雇用主の経済的負担を軽減した。