台湾でこれまで認められていない化学物質「ラクトパミン」の残留を解禁するかどうかで問題となっている、米国産牛肉の問題について、陳沖行政院長は先ごろ、行政院食品薬品安全プロジェクト会合のもとに技術的な諮問チームを立ち上げるよう指示し、10日に1回目の会合が開かれた。同チームは農業委員会(農委会)の陳保基主任委員を召集人とし、経済部や衛生署、農委会、消費者保護処といった関連省庁の代表から成るメンバーが、医学、公衆衛生、食品、薬理、獣医学などの専門家と共同で検討を行う。
同会合で得られたコンセンサスは以下の3点。
1.ラクトパミンは飼料添加物であり治療薬ではない。今回の会議ではβアドレナリン受容体作動薬(成長促進剤)とラクトパミンについてより明確に把握する。
2.飼料添加物の用途として使われたラクトパミンについては、10数年の関連研究報告において家畜の中毒、または消費者が肉製品として食用した際の人体の中毒に関する報告はない。
3.犬(イングリッシュ・グレイハウンド)を使った実験報告は、競走犬に対する薬物の不当使用に関する検査であり、参考には適しない。
農委会は、ラクトパミンはβアドレナリン受容体作動薬の一種であるが、用途は飼料添加物に限られているとあらためて強調。「米国産牛肉の問題に関しては、あらかじめ立場を決めることなく、各方面からの観点を尊重する。技術諮問チームは今後も会議を引き続き開催、技術面での問題を明らかにし、行政院食品薬品安全プロジェクト会合に報告を提出する。また、技術諮問チームは専門性を堅持し、国民の健康と産業発展への考慮、国際基準との合致という3大原則に基づき関連評価を行い、『専門的な配慮』と『リスク管理』という準則に沿って関連の課題を検討し、本案件を適切に処理する」とした。