外交部は14日、海運関連の国際団体により作成されたソマリア海賊対策としての自衛措置の手引き「ベストマネージメントプラクティス(BMP)」最新版、第4版(BMP4)に関し、作成団体の1つ、石油会社国際海事評議会(OCIMF)が台湾に対して正体字(繁体字)中国語への翻訳権とその使用権を提供することに同意したと発表した。繁体字中国語版は中華民国(台湾)籍の商船や漁船の利用に提供することができる。
外交部によると、BMP4の効果は、同手引きに沿って防護管理措置を採っている船舶がこれまで海賊の襲撃に遭ったことはないということに表れている。同部は、船舶に対し同手引きに沿って防護措置を採るよう提言するとしている。
BMP4では、船舶の周辺に鉄条網を張り、強力な高圧放水銃を装備するなどの措置を採って、海賊の乗船を防ぐとともに、船舶の機関室に施錠装置を追加装備し、鋼板を強化、海賊による船舶の乗っ取りを防ぐよう呼びかけている。また、英国のように一部の欧州諸国では、雇用された民間軍事サービス(Private Arms Service)が銃を所持して海上の安全を守っている。ただ、台湾では法律の規定で警備のための銃所持ができないため、国内の関連機関に対し検討の参考にするよう情報を提供したと外交部は表明した。
また台湾と欧州連合(EU)は、海賊情報に関する常設の連絡窓口を既に設けており、EUは昨年下半期から、行政院農業委員会漁業署を海賊情報リアルタイム通報ネットワークに組み入れ、24時間体制で同署に対し海賊出没情報を提供。同署はこれを漁業ラジオ局を通じ、中華民国籍の漁船に避難情報として提供していく。
台湾では昨年、インド洋での漁獲作業において、多くの台湾の漁船がソマリアの海賊に襲撃を受けたことで関心を集め、海軍が艦隊を出動させ遠洋での漁獲を保護するとの観測も流れた。