経済部に属する国有企業、漢翔航空工業株式会社は空中観測機を1機提供、気象と台風、南西の季節風や環境、並びに河川や海の状況など観測情報のプラットフォームとすることで、政府の防災能力強化に協力する。
中華民国(台湾)は世界で自然災害の最も多い国の一つ。台風や、南西の季節風による豪雨は年平均で台湾に200億台湾元(約564億日本円)近い被害をもたらしている。
経済部によると、気象面でのより多くの情報を得るために2003年より2011年まで行った台風追跡計画に漢翔航空工業は協力、これまでに延べ55回、航空機を出動させて42の台風を観測、南西の季節風がもたらす豪雨に対する観測では延べ41回出動し、台風が台湾に襲来するコースの予測精度を大幅に向上させた。
経済部では、漢翔航空工業は今後、空中観測機の能力を利用者の用途に応じたサービスで防災救助活動に応用していく他、自然環境の大気分析などの基礎研究、環境変化のもたらす災害の予測と通報、汚染の防止・改善や監視など、学術研究界の研究計画をサポートし、各種リソースを統合して各界に提供することも可能だとしている。
経済部はそして、政府は災害の発生と損失を減らすための万全の準備を整えるとして、すでに関係省庁に対して漢翔航空工業の飛行及び観測力を十分利用するよう要請していると明らかにした。同社は毎年50時間の飛行時間を中央気象局に提供する他、50時間を防災と救助活動に提供することにしている。