行政院衛生署の統計によると、台湾の総人口に占める割合が約1割の高齢者(65歳以上)が健康保険財源の3分の1を使用している。80歳以上の医療支出は特に多い。第2次世界大戦後のベビーブームに生まれた人たちが相次いで高齢者となっていく中、向こう10年間、高齢者のための医療費用は急増すると予想される。
衛生署は29日、2010年における65歳以上の国民の医療利用統計を発表した。高齢者(人口248万8000人)対象の健康保険費用は1691億台湾元(約4697億日本円)に達し、同年度の健康保険総額の34%を占めた。そのうち42%の医療内容は、泌尿、骨格、がん、事故による怪我、脳血管疾患となっている。
2000年から2010年までの10年間で、高齢者の健康保険医療費用は88%成長、さらに80歳以上では10年間で219%増えた。2010年における80歳以上の高齢者は60万5000人で、これらの人を対象にした健康保健医療費用は530億台湾元(約1472億日本円)。65歳以上の人の健康保健医療費用の3割を占めた。
内政部による高齢者の生活状況統計調査の結果では、2009年に高齢者が「まだ健康だといえる」と自己評価したのは70%で、男性が女性を12ポイント上回った。また、慢性疾患もしくは重大な障害や病気があると答えた人は76%に達し、女性は男性よりも7ポイント高かった。
内政部の人口統計によれば、2011年末時点で台湾の高齢者人口は252万8000人で総人口の10.9%を占め、この割合は過去10年間で2.1ポイント上昇、女性の拡大幅は男性を上回る。ベビーブーム世代の人たちが「高齢者」となりつつあることが見て取れる。