社会マネジメントシステム学会(SSMS)の発起大学である日本の高知工科大学の岡村甫理事長夫妻が2日、行政院台風8号被災地再建推進委員会の陳振川執行長の案内で「88水害」(2009年8月の台風による被害)の被災地復興エリアを訪れ、再建工事の難しさを改めて実感すると共に、恒久住宅の建設過程並びにその成果を視察した。岡村氏は、被災者に対する中華民国(台湾)政府の素早い処置、産業と文化復興への取り組みの効率の良さに注目した。
岡村氏は、行政院台風8号被災地再建推進委員会と社会マネジメントシステム学会などが共同開催した、「2012年社会マネジメントシステム国際シンポジウム-災害予防と救助及び再建管理」に参加するために台湾を訪問。
台風8号被災地再建推進委員会の陳執行長は、復興の過程において政府は迅速かつ明確な政策決定体系でリソースを効果的に投入、専門的な管理で政府と民間の力を統合するなどしたことから、災害後3年間で再建事業の95%を終えることが出来たと説明した。
現在は、恒久住宅に移り住んだ被災者の新たな環境への適応支援に積極的に取り組むと共に、多面的な計画を通じて、復興エリアでの雇用、産業、就学、文化、生活、エスニックグループ、心理的ケア、宗教や信仰などの様々なニーズを満たせるよう、関連団体のリソースを整理統合して活用し、恒久住宅を永続的コミュニティーに成長させるというビジョンに向けて努力しているという。
「88水害」は、2009年8月、台風8号(モーラコット)による集中豪雨が台湾南部を中心にもたらした大規模な災害のこと。8月8日の被害が最も深刻だったため、「八八水災(88水害)」と呼ばれる。