辰年は中華圏では「龍年」。縁起の良い年とされることから、台湾の新生児の数が増えている。今年第1四半期の新生児数は前年同期比で17%増えた。内政部は3日、年間を通じて前年比17%増となった場合、今年の新生児数は昨年の21万人から23万人に増え、過去10年で最高になると指摘した。
行政院は3日の閣議で、内政部の「人口変動の趨勢と対応策」報告を聴取。内政部戸政司は、1999年までの10年間における新生児数の年間平均は32万人だったが、2000年以降は2010年の16万人まで一方的に減ったと説明。その後は2年間の努力が実を結んで、2011年に19万人へと反発。内政部では各種重点措置の推進で、向こう10年間の新生児数を年平均18万人以上にしたい考え。
陳冲行政院長は報告聴取後、少子化への対策は「質と量」を意識せねばならず、出生率を高める取り組みの他、国民の質にも配慮する必要があると述べた。そして、行政院労働者委員会が性別工作平等法第23条第1項の規定を徹底し、職員数250人以上の企業に託児所設置や託児サービス提供を促すことで、比較的高い学歴で、仕事を持つ夫婦の子作りを支援していくことを指示した。
陳冲行政院長は、少子化と移民現象を改善することは高齢化問題の解決にもプラスだとし、内政部が人口政策白書の内容をしっかりと審査し、経済的な移民に対する政策部分に特に力を入れるよう求めた。そして、7月1日に立ち上げる予定だった、「人口政策報告会合」について、出来る限り早く設置し、具体的措置を推進していけるよう期待した。