行政院大陸委員会(陸委会)は30日、馬英九総統が総統就任演説で掲げた、「一つの中華民国、二つの地区」という言い方は、中華民国憲法と「台湾地区と大陸地区人民関係条例」に基づく、台湾海峡両岸の現況に対する定義であると説明した。陸委会では、中華民国憲法の枠組みの下、両岸関係は特殊な関係で、自由地区と大陸地区の関係だと指摘、「互いに主権は認めないが、統治権は否定しない」ことが両岸の現状に対する最良の解釈で、双方が現実を直視し、争いを棚上げし、平和を促進する最良の方法だとしている。
馬総統は5月20日の中華民国第13代総統就任演説の中で、「一つの中華民国、二つの地区」と述べた。中国大陸の「国務院」台湾事務弁公室の楊毅スポークスマンは30日午前、中国大陸側としてこれに初めて言及、「両岸は二つの中国ではなく、両岸関係も国と国との関係ではない」と述べた。陸委会の30日のコメントはこれを受けてのもの。
陸委会では、争いの棚上げと相互尊重を継続し、「統一しない、独立しない、武力行使しない」という台湾海峡の現状を維持してこそ、相互理解の増進、実務的な問題解決、平和的な共存が実現できると強調した。