馬英九総統は、1989年に中国大陸で民主化を求めた若者らを共産党が弾圧した「六四事件(天安門事件)」から23年を迎えた4日に談話を発表した。馬総統は、「中国大陸の民主制度や人権状況が進展し、台湾海峡両岸が中華文化を基礎として、将来的に民主的な統治および人権保護などの分野で、民間団体を通じた交流と対話を進めることを期待する」と述べた。談話の要点は以下の通り。
華人社会では広く、中国大陸がより多元的で開放された民主社会に向け、成熟した条件がすでに整っているとみている。そして、天安門事件が残した傷跡の処置を、政治改革の第一歩とすることができる。われわれはこれが歴史の遺した傷を癒すとともに、中国大陸当局と人々の間の距離を縮め、国際的なイメージの向上につながるとみている。
民主改革を推進することは、中国大陸の内部の安定にも寄与する。中国大陸当局が、急激な経済成長と一体となった政治改革を行うことができるならば、中産階級や民間パワーの台頭から起きたさまざまな改革の呼び声に有効に対応することができるだろう。
中国大陸には数億のインターネット人口がおり、情報の吸収・伝達の速度は、これまでの世代をはるかに超える驚異的なスピードである。台湾の総統選の弁論から陳光誠弁護士(盲目の人権活動家)事件の進展まで、インターネットユーザーは極めて詳細に把握し、それぞれの考えを表明している。もし、中国大陸がこの流れに乗って、政治参加の拡大や人権擁護の整備、および異なる意見を持つ人に関心を払うことができるならば、人々の改革に対する期待に応えると同時に、政治的な安定を維持することにもつながると信じている。
両岸は民主制度や人権の面で依然として差異があり、これが両岸がさらに交流を深めるにあたって克服しなければならない壁となるだろう。台湾の民主化の経験は、民主制度が中華文化の土壌において根を張りたくましく育つことができると証明したとわれわれは信じている。