中央研究院は2日、第30回となる院士会議の開幕式を行った。同会議は4日にわたり開催され、国内外で活躍するトップクラスの研究者である院士200人余が出席。開幕式であいさつした馬英九総統は、学術における基礎研究の重要性を強調した。
馬総統は人材の面における課題について、政府が近年推進している「弾薪計画(優秀な学術研究人材の雇用に奨励金を給付し、賃金に上乗せすることで人材流出を防ぐ取り組み)」や「留学生助成プラン」など、台湾により多くの人材を取り込む取り組みを行っているが、今後も国際的な人材獲得競争という国家の安全保障レベルの課題に向き合わねばならないとの認識を示した。
馬総統はまた、中央研究院による基礎研究への貢献を高く評価した。一部の研究は短期的には応用価値がないように見えるかも知れないが、学術研究の動向把握や長期的発展に一定の役割を果たすと指摘、政府も学術界もこれを軽視してはならないと強調した。
さらに馬総統は、台湾の人材の優秀さについて、「世界銀行が発表した『2012世界知識経済指数』によると、台湾は世界13位、アジアで1位との評価を受けた。これは研究者の面で台湾が他国に遜色ないことを証明している」と述べた。また、院士に対し、堅実で揺るぎない学術の基礎をよりどころに、今後も優れた見識をもって政府への提言を行って欲しいとの期待を示した。