林永楽氏(右)と楊進添氏(左)の新旧外交部長が引き継ぎ。(中央社)
中華民国(台湾)のEU欧州連合駐在代表(大使に相当)を務めていた林永楽氏が27日に帰国、ただちに外交部で、退任する楊進添外交部長と引継ぎを行った。林新任外交部長は、外交官として43年のキャリアを持つ楊氏に特殊外交奨章を授与し、外交上でのこれまでの貢献を表彰した。楊氏は総統府秘書長となる。
林外交部長は、「活路外交」を推進し、対外関係をいっそう強化、国際社会における活動空間を広げて地域経済の統合に積極的に参与していくとの方針を示した。
釣魚台列島(日本名:尖閣諸島)をめぐる争いについて林外交部長は、外交部が主権と漁業権を守っていく立場は今後も変わらないとしながらも、理性的かつ平和的な方式で関連の問題を処理できるよう希望、日本が馬英九総統の提示した「東シナ海平和イニシアチブ」を重視するよう期待した。
なお、省庁再編による、外交部における複数の部署の変更は今月1日に正式に実施された。外交部政務次長(副大臣に相当)は従来の1人から2人となっている。また、今年5月に廃止された行政院新聞局が担当していた国際宣伝業務は外交部に移されている。
外交部の「経済貿易司(局)」は「国際合作及経済事務司(国際協力及び経済業務局)」と改名され、「亜西司(西アジア局)」と「非洲司(アフリカ局)」は合併して「亜西及非洲司(西アジア及びアフリカ局)」となった。「中南美司(中南米局)」は「拉丁美洲及加勒比海司(ラテンアメリカ及びカリブ海局)」に改められた。「新聞文化司(広報文化局)」は「公衆外交協調会」へと変更された。
「北美司(北アメリカ局)」と「欧州司(ヨーロッパ局)」は従来の名称を維持。対日窓口機関である「亜東関係協会」は「亜太司(アジア太平洋局)」に編入されたが対外的には依然として存在する。「外交領事人員講習所」は、「外交及国際事務学院(外交及び国際業務学院)」に改称された。