11月10日と11日の2日間、日本の学者2人と台湾の専門家、学者5人、並びに行政院原子力エネルギー委員会(原能会)の放射線モニタリングセンターの職員は台湾東南部の離島・蘭嶼で環境放射線の計測を実施した。計測では特に、今年9月に日本の学者が発見した、周辺より放射線量の高い「マイクロスポット」に対して詳細な調査を行い、共同での計測の結果、人工放射線の基準値超過の状況は無く、いずれも安全範囲内にあることを確認した。
原能会は、蘭嶼に設けられている放射性廃棄物貯蔵場の貯蔵容器腐食破損の問題について、台湾電力株式会社がすでに検査と詰め替え作業を終えていると指摘。歴年の環境放射線観測値によれば、検査詰め替え作業の間、貯蔵場の排水口付近で微量の人工放射線を確認しているが、環境調査の基準値よりずっと低い値で環境汚染は発生しておらず、安全上の問題は無いと説明した。
今回調査に参加した日本の学者は、桜美林大学の中生勝美教授と首都大学東京の加藤洋准教授。台湾からは、財団法人原子力情報センターの朱鉄吉教授と謝牧謙博士の他、中央研究院などから3人の学者・専門家が参加した。また、原能会放射線モニタリングセンターからも技術人員が4人参加した。