外交部は16日午前、法務部など関連省庁と外国メディアを対象とした合同記者会見を開き、陳水扁前総統の獄中での処遇と健康状態について説明した。法務部は、陳前総統は汚職などの罪が確定し、懲役18年6ヶ月の刑となっている刑事犯であり、「政治犯」でも「良心の囚人(Prisoner of conscience)」でもないと指摘。その上で、台北刑務所では刑務所内における医療面での人権を十分に重視しており、陳前総統の健康状態は適切なケアを受けられており、刑務所外治療の条件に合致していないと説明した。
法務部では、退任した国家元首に対する尊重という考えに基づき、陳前総統に対しては、親戚や友人の面会回数で一般受刑者の4倍あまりに当たる420回、外部からの飲食物や健康食品の受け取り許可など、出来る限り良い生活環境と健康面でのケアを提供していると明らかにした。また、体調不良の場合は、ただちに専門の医師による刑務所内での診療(医師を刑務所に呼んでの診療60回)や「監護下での刑務所外治療」での診療(外部の大規模な病院に送っての診療6回、77日)を手配し、精密な医療機器を用いた検査と治療を行っていると強調した。
現在、陳前総統は、「監護下での刑務所外治療」として、台北栄民総医院(病院)で診療を受けている。ここでは手錠などの拘束具は一切使用していない他、陳前総統は現在、病室内で自由に活動できる。また、屋外での活動時間も毎日1時間設けられているとのことで、法務部では、これらは陳前総統の医療面での人権に対する重視を示すと説明した。
台北栄民総医院(病院)では、重度のうつ病治療のため、今年10月24日に陳前総統を専門病棟に移し、外部での臨時診療として最も適切な治療を施していると説明、現在の病状は刑務所外治療の条件には合致しないとの判断を示した。
台湾では受刑者が病気になった場合、病状の程度に応じて四種類の対応が定められている。①「刑務所内での診療」は、医師が刑務所内で診察すること。②「監護下での刑務所外治療」は、刑務官の監護の下、外部の医療機関に行って治療を受けること。③「医療刑務所へ移送しての治療」は、特定の刑務所に設けられた医療施設に送って治療すること。病状が改善し、安定すれば従来の刑務所に戻る。これらの場合、受刑者が刑務所内で監禁状態にあることは変わらない。④「(診断書など証明書類を提出した上での)刑務所外での治療」は、前述の三つの方法いずれも適切でない受刑者、もしくは症状が重篤で、外部での緊急治療の必要がある場合に外部で治療を受けさせること。
陳水扁前総統の刑務所内における処遇と医療ケアの状況については、法務部のウェブサイト(http://www.moj.gov.tw)の左側メニュー下方のバナーから最新の情報を閲覧可能。
「The Treatment of Former President Chen Shui-bian at Taipei Prison」
http://www.moj.gov.tw/lp.asp?ctNode=32496&CtUnit=12026&BaseDSD=7&mp=095