中国大陸の対台湾窓口機関・海峡両岸関係協会(海協会)はこのほど、台湾の対中国大陸窓口機関・海峡交流基金会(海基会)に対して、中国大陸の新版パスポートをめぐる議論について書簡で、「台湾独立派の政党が大げさにしているだけ」と回答した。これに対し、行政院大陸委員会(陸委会)は27日、このような言い方は受け入れられないとする立場を表明した。
陸委会では、中国大陸側の言い方は、新版のパスポートが台湾海峡両岸関係に与える影響の深刻さをまったく理解していないことを表していると同時に、台湾の全ての人々の感情を傷つけたことを軽視したもので、両岸関係の今後の発展に不利に働くと批判した。
陸委会は、中国大陸のパスポートは新旧にかかわらず一切認めないと強調、中国大陸の人々が台湾に入境する場合、主権を示す税関の印章は「入台証」(中華民国台湾地区出入境許可証)に押印されると説明した。陸委会ではまた、第三地点から中国大陸のパスポートを持って台湾に入境する少数の中国大陸籍の人たちについても、パスポートは身分証明の参考に用いるのみであり、中華民国が中国大陸のパスポートを承認していることを意味するものではないとしている。
中国大陸は今年新版のパスポートを発行。内ページに台湾の景勝地の図案が使用されていることに台湾で議論が起きている。