中国時報や中天電視(CTI)などを傘下に持つ旺旺中時グループによる、香港メディア大手、壱伝媒(ネクスト・メディア)の台湾事業買収に関し、先ごろから議論が頻発していることについて、行政院は3日、関連の問題はすべて公平交易委員会(日本の公正取引委員会に相当)と、メディアの所管庁である国家通訊伝播委員会(NCC)に法にのっとり対処するよう引き継いでおり、行政院は個別の審査に介入せず、また介入すべきでないと表明した。
行政院はまた、何を以って「メディアの独占」とするかは法により認定されるべきであると指摘した。これに関し、行政院は公平交易委員会による関連法規にのっとった審査を尊重しかつ信頼するものであると表明した。また、一部で中国大陸など海外の資本が投入されているのではないかとの懸念があることについて、行政院はいわゆる「広電三法(ラジオ・テレビ法、衛星ラジオ・テレビ法、有線ラジオ・テレビ法の放送に関する3つの法律)」は外資の持ち株比率に関する規制を設けているとあらためて説明した。メディア業界の株主や経営者の政治的な立場や傾向にかかわる事柄は政府の審査の対象ではなく、政府がメディア企業の取引への介入や干渉はしないと表明した。
ネクスト・メディアはこのほど、台湾でのテレビ事業不振のため、台湾撤退を決めた。同社の台湾事業の売却にあたり、共同出資で引き継ぐ台湾の企業家のうち、蔡衍明・旺旺中時グループ会長も一部を出資するとみられている。実際に蔡衍明氏が出資した場合、中国時報など複数の新聞とテレビを持つ最大のメディアグループの旺旺中時集団は、台湾の4大紙のうち2紙を傘下に収めることになる。