馬英九総統は16日、総統府で、「死刑廃止世界連盟(WCADP)」執行委員会のメンバーと会見した際、中華民国(台湾)では絶対多数の人々が死刑廃止についてまだ慎重な態度でいるとして、現時点での政府の政策は、「死刑は維持しながら使用は減らす」ことだと述べた。
馬総統は、中華民国は人権を尊重して法治を保つ国家だとし、2009年4月22日には二つの国際人権規約(「市民的及び政治的権利に関する国際規約」と「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」)の施行法を可決し、これら規約を国内法の一部にしたと説明。その上で、国民は死刑制度を廃止した場合、犯罪に歯止めが利かなくなることを憂慮していると指摘した。
馬総統は、死刑政策に対する現在の国の立場として、刑罰が死刑のみの「絶対死刑」の全面的な廃止、死刑使用の相対的な減少を挙げた。また、死刑に関係する捜査と裁判をより慎重に行うようにすると共に、すべての救済手続きを用いていくことだと説明した。
馬総統は、1991年から2000年までに台湾で死刑執行されたのは277人であるのに対し、2001年から2010年までは30人のみで、87%減ったと指摘、これは台湾における死刑執行までの手続きが以前より厳しくなったこと、並びに死刑のケースに対する態度がより慎重になったことを示していると訴えた。