馬英九総統は10日午前、中国国民党の呉伯雄名誉主席率いる中国大陸訪問団と会見した。台湾海峡両岸の窓口機関による事務機構相互設置の議題について馬総統は、「両岸は国と国との関係ではなく、我が方が中国大陸に設ける事務機構も中国大陸が台湾に設置する事務機構も、大使館や領事館とはみなさない。我々の憲法の枠組みの下、台湾海峡の対岸を一つの国家とみなすことはありえない」と強調した。
馬総統は、事務機構の相互設置は行政上の措置に見えるが、実際には高度な政治的意味合いを持つと指摘する一方で、だからといってこれを避けるのではなく、出来る限り早く話し合いをスタートさせ、早期の合意を目指していると説明した。馬総統は、事務機構職員の身分と保障、パスポートの申請や受刑者への面会などについても規定ができるが、これらを二つの国の関係として認識するものではないと述べた。
馬総統はそして、両岸関係の改善は中華民国の国際関係拡大に有益で、中華民国にとっての両岸関係と国際関係は対立するものではなく、互いに助け合うものだとの見方を示した。