財団法人国家実験研究院(NAR Labs)国家高速ネットワーク・情報処理センター(National Center for High-Performance Computing、HPCセンター)は、台湾初の「マルウェア(悪意のあるソフトウェアや悪質なコード)知識ベース」を構築した。立体的な地図が見られるソフト「グーグル・アース」のインターフェースを通じ、悪意あるコードを自動的に観測、追跡し、緊急事態に対応できるよう国内外の情報セキュリティ関連機関に向け速やかに通報する。
台湾のインターネットは、マルウェアにより1日当たり平均340万回のサイバー攻撃を受けている。うち発信元はロシアが最多だが、多くが中国大陸のハッカーが同国を経由して攻撃したものと分析される。
HPCセンターが構築したデータベースは、誘導、探索、分析、通報の4つの面を軸に成り立っている。24時間全天候型で自動的に6,000個を超えるIPからのマルウェアをリアルタイムで観測・捕獲し、台湾全土におけるマルウェアの動きを把握する。
現在、この知識ベースには、情報セキュリティの脅威となる事件を毎月1万5,000件以上収集・分析し、これまでに累計20万件を超えるマルウェアのデータを蓄積した。蓄積データ数は毎月1,200件のペースで増加しており、全国でデータ数最多、かつ最も整備された研究型知識ベースとなっている。
同知識ベースは間もなく産官学の各機関に開放する。URLはhttp://owl.nchc.org.tw/km/。(中国語)