米格付け機関、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の8月29日発表によると、台湾の長期発行体格付け(=ソブリン格付け)は「AA-」、短期発行体格付けは「A-1+」、アウトルックは安定的だった。台湾に対する評価は2010年から連続4年で同じとなっている。
S&Pは、台湾は健全な対外純資産を保有すると同時に、安定的な通貨管理、活力にあふれたハイテク企業を擁し、これらすべてが現在の格付けを裏付ける要素となっているとの見解を示した。ただ、電子業に過度に集中する産業構造は、台湾経済を衝撃を受けやすいものにしていると指摘した。また、格付けに不利となっている要因に、政府の債務増、経済成長の頭打ち、台湾海峡両岸の政治情勢を挙げた。
S&Pによると、台湾の格付けを引き上げるには、政府が構造改革を進めることによる、経済の多様性創出、一人当たりの平均所得の大幅な拡大や、財政赤字の抑制を通じた政府債務の縮小といった状況が挙げられる。ただ、もし不利な状況にある人口構造に調整が加えられない、あるいは外部からの深刻な衝撃による財政赤字の拡大および両岸関係の急速な悪化といった状況では、格付けを引き下げる可能性もあるとした。