王金平立法院長(国会議長)の司法介入疑惑が政界を揺るがす中、馬英九総統はさきごろ、「中天電視」(CTIテレビ)のインタビューを受け、メディアと人々が、司法に対する違法な働きかけという事件の本質に立ち戻るよう呼びかけると共に、「司法には一切の妥協は許されない。さもなくば人々の信頼は崩れ去る」と強調した。
馬総統は、今回の司法介入事件は事実と真相を徹底的に明らかにする必要があるとし、「これは政治闘争ではなく、法案でもない。不正事件なのだ」と指摘した。
中華民国の金溥聡駐米代表(駐米大使に相当)はアメリカの関係者に対し、盗聴は裁判所が認めており、同事件は違法な盗聴ではなく、国会議長を対象にしたものでもないと説明した。金駐米代表は、この事件はある仮釈放に関わる「違法な口利き」を疑い、そこに対価的な関係があると見たのが発端だと指摘。金駐米代表によると、当初は、野党・民進党の柯建銘立法委員(国会議員)が金銭を受け取って、ある仮釈放を司法に働きかけたと疑ったが、調査の結果、対価的関係は認められなかった。しかし、その後、柯建銘氏の背信と商業会計法違反が疑われ、盗聴する中で王立法院長の会話が録音されることになったという。