経済部はこのほど、日本の経営コンサルタント、大前研一氏を招き、2日に台北市内で「日本のエネルギー政策」基調講演会と意見交流を行った。原子力の安全性について大前氏は、日本の福島第一原子力発電所の事故を原子力の安全性を向上させるための原動力にすべきとの考えを示した。
経済部によると、大前氏の今回の講演は原子力の安全性とエネルギー政策に焦点をあてたもの。大前氏は、いかなる事故に遭おうとも、その過ちから経験を学びとらねばならないとし、福島第一原発の事故では本来避けられる多くの事態が避けられなかったとはいえ、この事故を理由に原子力の使用放棄までする必要は無いと述べた。
日本が福島第一原発の事故以来、太陽光発電設備の設置に力を入れていることについて大前氏は、太陽光発電による発電量の不安定さや設備の利用率の低さなどの問題を指摘、現時点で原子力発電の基幹電源としての役割に取って代わることは難しいとの見方を示した。その上で大前氏は、日本は地熱資源が豊富なので将来的には地熱発電を基幹電源としていくことが考えられると述べた。
大前氏はまた、台湾北部・新北市で建設中の龍門原子力発電所(第四原発)を視察した感想として、福島第一原発の事故を受けて防護措置が強化されていること、並びに地元の環境に配慮した設計がなされていることを指摘した。